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 ホジキンリンパ腫 (HL)のWHO分類では以下のように細分類された.
Ⅰ.結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫
 nodular lymphocyte predominant Hodgkin lymphoma
Ⅱ.古典的ホジキンリンパ腫 classical Hodgkin ...
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 ホジキンリンパ腫 (HL)のWHO分類では以下のように細分類された.
Ⅰ.結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫
 nodular lymphocyte predominant Hodgkin lymphoma
Ⅱ.古典的ホジキンリンパ腫 classical Hodgkin lymphoma
 ①結節硬化型 nodular sclerosis classical Hodgkin lymphoma
 ②混合細胞型 mixed cellularity classical Hodgkin lymphoma
 ③リンパ球優位型 lymphocyte-rich classical Hodgkin lymphoma
 ④リンパ球減少型 lymphocyte depleted classical Hodgkin
     lymphoma
     
 本例は、リンパ節の特徴的な形態、免疫学的所見よりホジキンリンパ腫(リンパ球優位型)と診断された。本例は骨髄にも浸潤があり稀少例と思われた。
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■症例詳細データ
性別
年齢 40-44
取得年代 1995-1999
主訴 微熱、倦怠感。
既往歴 特になし。
現病歴 数週間前より微熱、倦怠感があり近医を受診するも軽快しないため当院を受診した。
受診時、発熱(38.7℃)と頚部、腋窩にリンパ節腫脹を認め精査のため入院となった。
検査所見 WBC 9,100/μl (異常所見なし)
RBC 486万/μl、Hb 15.3g/dl、Ht 44.3%、PLT 23.4万/μl
MCV 91.1fl、MCH 31.5pg、MCHC 34.5%、NCC 7.2万/μl、MgK 0/μl (異常細胞+)
末梢血所見 特に異常所見は認めなかった。
骨髄所見 低形成像にて30μm大の大型細胞を数個認めた。それらはN/C比は低く、クロマチンは粗顆粒状で明瞭で大きな核小体を1~2個認めた。なかには単核や二核のものがみられ、二核は対称にみられる鏡像(mirror image)を思わせるものであった。
【骨髄セルブロック所見】
大型細胞が散見され明瞭な核小体が特徴的であった。
細胞化学所見 骨髄の大型細胞はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 骨髄の大型細胞は単核や二核を有し、明瞭な核小体が特徴的で、なかには鏡像を認めるものもみられホジキン細胞を考えた。
免疫学的所見 骨髄、骨髄セルブロック、リンパ節の免疫染色ではCD30が陽性であった。
分子生物学的所見 未詳。
リンパ節所見 【頚部リンパ節生検所見】
小型~中型リンパ球を背景に大型の単核細胞や二核の細胞がみられた。N/Cは低く、クロマチンは粗網状で明瞭な核小体が特徴的であった。
鏡像やReed-Sternbergリードステルンベルグ巨細胞をみとめホジキンリンパ腫と診断された。
臨床診断 リンパ節の形態、免疫学的所見よりホジキンリンパ腫(リンパ球優位型)と診断された。
本例は骨髄にも浸潤があり稀少例と思われた。