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本例は、骨髄で増殖する芽球がPO染色に陰性よりPO陰性急性白血病を疑った。形態学的に芽球の起源を推測することは不可能であったが、細胞マーカーでCD41、CD42、CD61が陽性のことより急性巨核芽球性白血病(AML-M7...
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本例は、骨髄で増殖する芽球がPO染色に陰性よりPO陰性急性白血病を疑った。形態学的に芽球の起源を推測することは不可能であったが、細胞マーカーでCD41、CD42、CD61が陽性のことより急性巨核芽球性白血病(AML-M7)と診断された。本症でCD7、CD13、CD33の陽性はよくみられるパターンである。
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■症例詳細データ
性別
年齢 30-34
取得年代 2010-2014
主訴 発熱
既往歴 気管支喘息
現病歴 持続性の発熱(1カ月)のため来院し、白血球増加に伴う芽球の出現を認めたため緊急入院となった。BT38.2℃、表在リンパ節腫脹および肝脾腫は触知しない。
検査所見 WBC31,000/μl (Blast31,St7, Seg33, Eo11,Ly9, Mo8, At.Ly1%,Ebl+)
RBC423万/μl、Hb11.2g/dl、Ht37.6%、MCV88.8fl、MCHC29.8%、PLT11.2万/μl、
TP7.0g/dl、AST15IU/l、ALT14IU/l、LDH423IU/l、ALP200IU/l、Cre0.9mg/dl、
CRP7.12mg/dl、NCC18.6万/μl(blast49.0%)
末梢血所見 白血球増加(31,000/μl)のもと、末梢血に芽球が31%みられた。それらは大型で、N/C比が低いものが多く、核網はやや繊細気味で核形不整は軽度であった。
骨髄所見 正形成の骨髄にて芽球は49%みられた。芽球は全般に大型で、なかには4倍体の大きさで二核のものもみられた。芽球はN/C比が低く、核網は繊細から粗網状で核小体が明瞭なものが多くみられた。
細胞化学所見 芽球はPo染色に陰性で、PAS染色やEST染色にも陰性であった。ACP染色では大きな凝集塊の陽性がみられた。
形態診断 末梢血、骨髄の芽球は形態学的所見が乏しくPO陰性の芽球として検索を進めることとなった。まずは細胞マーカーの特異的発現を期待するもである。
免疫学的所見 【骨髄穿刺液】
CD7・CD19・CD13・CD33・CD41・CD42・CD61・HLA-DR(+)、CD79a・cyCD22・MPO(-)
分子生物学的所見 46,XX
リンパ節所見 N.D
臨床診断 骨髄で増殖する芽球がPO染色に陰性よりPO陰性急性白血病を疑った。形態学的に芽球の起源を推測することは不可能であったが、細胞マーカーでCD41、CD42、CD61が陽性のことより急性巨核芽球性白血病(AML-M7)と診断された。本症でCD7、CD13、CD33の陽性はよくみられるパターンである。