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 骨髄有核細胞の50%以上を赤芽球系細胞が占め、赤芽球系を除く細胞の20%以上が骨髄芽球でFAB分類のM6aに相当する。
もし、骨髄芽球が20%未満の場合はRAEB群に位置づけされる。
     
 本例は末梢血が白赤芽球...
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 骨髄有核細胞の50%以上を赤芽球系細胞が占め、赤芽球系を除く細胞の20%以上が骨髄芽球でFAB分類のM6aに相当する。
もし、骨髄芽球が20%未満の場合はRAEB群に位置づけされる。
     
 本例は末梢血が白赤芽球症にて芽球を30%認め、骨髄でも赤芽球、非造血細胞を除いた中で芽球が20%みられたことで急性白血病を考えAML-M6a(赤白血病型)と診断された。
PAS染色では成熟赤芽球にび慢性の陽性がみられ腫瘍性を強調する所見であった。表現型では顆粒球系のCD13、CD33が陽性、赤芽球系にはグリコホリンAが陽性で双方の混在がうかがえた。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性骨髄性白血病 (AML) > 赤白血病 (M6)
性別
年齢 00-04
取得年代 2000-2004
主訴 微熱、白血球増加、血小板減少。
既往歴 特になし。
現病歴 微熱のため近医を受診し、血液検査にて白血球増加と血小板減少を指摘された。精査のため当科を紹介され、末梢血にて白赤芽球症がみられ要精査のため入院となった。
検査所見 WBC 31,200/μl (芽球32%, Ebl 125/100w)
RBC 468万/μl、Hb 9.5g/dl、Ht 32.9%、PLT 6.5万/μl
MCV 70.2fl、MCH 20.2pg、MCHC 28.8%、
NCC 52.3万/μl、MgK 37.5/μl (芽球20%)
末梢血所見 小球性低色素性貧血のもと白血球増加(31,200/μl)にて芽球は32%、赤芽球が125/100wみられたため、白血球数の補正値は13,866/μlであった。白赤芽球症の状態から赤白血病等を疑った。
骨髄所見 過形成にてM/E比は0.2と顕著な赤芽球の増加がみられた。芽球はNEC中の20%前後にみられた。赤芽球系は分化段階がみられ、顕著な巨赤芽球様は認めなかった。
細胞化学所見 赤芽球はPAS染色に成熟型の一部が陽性であった。Fe染色では環状芽球は認めなかった。
形態診断 末梢血の白赤芽球症にて芽球を30%認め、骨髄でも赤芽球、非造血細胞を除いた中で芽球が20%みられたことで急性白血病を考えAML-M6a(赤白血病型)を疑った。
免疫学的所見 CD7(70.2%)、CD13(36.2%)、CD33(89.5%)、CD41(12.6%)、CD34(72.6%)、GP-A(46.8%)、HLA-DR(81.5%)
分子生物学的所見 未詳。
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 白赤芽球症、骨髄では赤芽球が優位のなか芽球が20%前後にみられたことよりAML-M6aと診断された。赤芽球系に特異的なグリコホリンAが陽性で、CD41(血小板系)は陰性として捉えた。