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 本型の確診となる類骨様物質が証明されなかったが、骨形成腫瘍の形態学的特徴と小児で上腕骨上端部原発より骨肉腫の骨転移と診断された。原発部位の左上腕骨生検で診断が確定後、化学療法(CDDP,ADR+HD-MTX)が施...
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 本型の確診となる類骨様物質が証明されなかったが、骨形成腫瘍の形態学的特徴と小児で上腕骨上端部原発より骨肉腫の骨転移と診断された。原発部位の左上腕骨生検で診断が確定後、化学療法(CDDP,ADR+HD-MTX)が施行された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 10-14
取得年代 2000-2004
主訴 右膝関節痛、左骨痛。
既往歴 特になし。
現病歴 右膝関節痛、左骨痛を訴えるもfollowされていなかった。約3ヶ月後、咳嗽、微熱、呼吸困難、胸水出現、胸部X線検査にて肺野にコイン状の陰影、X線検査にて左上腕骨頭の破壊像を認める。
検査所見 WBC 8,300/μl (Met1, St6, Seg74, Ly13, Mo6%)
RBC 471万/μl、Hb 12.9g/dl、Ht 36.2%、PLT 39.5万/μl、MCV 76.8fl、MCH 27.4pg、MCHC 35.7%、
右大腿離脱時の骨割面のスタンプ
LD 480IU/l、ALP 1,060IU/l、ALPアイソザイム(骨性>肝性)
末梢血所見 特に異常なし。
骨髄所見 【右大腿離脱時の骨割面スタンプ:MG所見】
多形性に富んだ単核~多核の巨細胞は不整核やクロマチンの増量などより腫瘍細胞を考えた。形態学的には次の所見から肉腫細胞を疑った。①核縁が薄く、均一な顆粒状のクロマチンや大型不整形の核小体などを有すること。②核の一側が細胞質に接するかまたは突出すること。
細胞化学所見 PAS染色:び慢性の陽性、ACP染色:顆粒状の陽性、ALP染色:び慢性の陽性。
形態診断 血清ALP(骨性ALP)の著明な上昇と腫瘍細胞のALP染色の陽性より、腫瘍細胞の骨形成の旺盛を裏付けるものであった。従って骨形成腫瘍と考え骨肉腫を疑った。
免疫学的所見 【文献的情報】
オステオカルシン抗体、オステオネクチン抗体が骨腫瘍マーカーになる。
分子生物学的所見 未施行。
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 本型の確診となる類骨様物質が証明されなかったが、骨形成腫瘍の形態学的特徴と小児で上腕骨上端部原発より骨肉腫の骨転移と診断された。原発部位の左上腕骨生検で診断が確定後、化学療法(CDDP,ADR+HD-MTX)が施行された。
*骨肉腫:原発;左上腕骨