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 本例は、画像診断より原発巣が食道で、形態像は角化の著明な高分化扁平上皮癌であった。腫瘍の胸椎、胸骨への転移が確認されたが、いずれも角化傾向は軽度で低分化部分がかなり面積を占め、原発巣の組織像と大...
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 本例は、画像診断より原発巣が食道で、形態像は角化の著明な高分化扁平上皮癌であった。腫瘍の胸椎、胸骨への転移が確認されたが、いずれも角化傾向は軽度で低分化部分がかなり面積を占め、原発巣の組織像と大きく異なった。
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■症例詳細データ
性別
年齢 75-79
取得年代 2000-2004
主訴 未詳。
既往歴 未詳。
現病歴 未詳。
検査所見 WBC 6,000/μl、
RBC 355万/μl、Hb 11.0g/dl、Ht 34.9%、PLT 29.0万/μl
MCV 98.3fl、MCH 31.0pg、MCHC 31.5%
末梢血所見 特に異常所見はなし。
骨髄所見 【生食水による穿刺器具洗浄法】
生食水には、固定操作がないため細胞変性が顕著であった。そのようななか、細胞質はかなり分厚く、核周囲に層状構造を思わせる所見がみられた。核は不整形で核が中心性に位置し、核小体は類円形のものを僅かに認めるが、全体的には不明瞭なものが多く、これらは扁平上皮系細胞に多くみられる所見と思えた。
【骨生検スタンプ】
数日後の骨生検スタンプにて繊細から粗顆粒状また粗網状のクロマチン構造が読みとれる。このように1つの細胞塊の多彩なクロマチンパターンは、悪性腫瘍細胞に特徴的な所見である。
細胞化学所見 PO染色、PAS染色は陰性であった。
形態診断 細胞変性のなかにも、細胞質の分厚さ、核周囲の層状構造を思わせる所見や不整形の核が中心性に位置し、核小体が類円形のものを僅かに認めることより扁平上皮系の腫瘍を疑った。
免疫学的所見 未詳。
分子生物学的所見 未詳。
リンパ節所見 【骨生検所見】
線維化の著明な髄腔内に充実性の胞巣が多数認められ、単一角化細胞もみられた。
細胞質は好酸性で、相互圧排像、相互封入像や多核細胞もやや目立っていた。
臨床診断 画像診断より原発巣は食道で、形態像は角化の著明な高分化扁平上皮癌であった。腫瘍の胸椎、胸骨への転移が確認されたが、いずれも角化傾向は軽度で低分化部分がかなり面積を占め、原発巣の組織像と大きく異なった。
*扁平上皮癌の骨髄転移:原発1;食道癌(高分子扁平上皮癌)