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 本例は、腺腔形成あるいは扁平上皮様層形成などの特定な構造がみられなかったことより大細胞癌と診断された。肺癌の既往より、肺原発の大細胞癌と診断された。
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 本例は、腺腔形成あるいは扁平上皮様層形成などの特定な構造がみられなかったことより大細胞癌と診断された。肺癌の既往より、肺原発の大細胞癌と診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 55-59
取得年代 2000-2004
主訴 汎血球減少症。
既往歴 以前に肺癌。
現病歴 肺癌の既往があり汎血球減少が亢進し、骨髄転移が疑われ骨髄検査が実施された。
検査所見 WBC 700/μl、
RBC 332万/μl、Hb 9.4g/dl、Ht 29.1%、PLT 6.8万/μl
MCV 87.6fl、MCH 28.3pg、MCHC 32.3%、
NCC:dry tapのため吸引物からのタッチ標本
末梢血所見 特に異常なし。
骨髄所見 骨髄はdry tapより吸引物からのタッチにて、30μm大の異型細胞が孤立散在性にみられた。核偏在で、核形不整、クロマチンは粗網状で小さな空胞がみられた。
細胞化学所見 未詳。
形態診断 骨髄のなかの一部に結合性がみられ、大型細胞は核に切れ込みや不整形の核小体がみられた。細胞間結合がみられ、上皮性腫瘍のシート状としてみられたことより上皮性悪性腫瘍の骨髄転移を考えた。
免疫学的所見 【悪性リンパ腫の大細胞型との鑑別】
上皮性マーカー(CEA、ケラチン、EMA)、LCAなどの免疫染色
分子生物学的所見 未詳。
リンパ節所見 【骨髄生検所見】
充実性の大小胞巣が髄腔を満たし無形成骨髄であった。多形性に富んだ腫瘍細胞が一部に密接し、一部は緩やかな結合性を示し増殖していた。細胞質は豊富で、核は大小不同性で、明瞭な核小体や多核の巨細胞もみられた。髄腔内胞巣は無核や壊死を伴っていた。
臨床診断 腺腔形成あるいは扁平上皮様層形成などの特定な構造がみられなかったことより大細胞癌と診断された。肺癌の既往より、肺原発の大細胞癌と診断された。
*大細胞癌の骨髄転移:原発;肺癌(大細胞癌)