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 本例は、骨髄生検にて比較的分化度の高い移行上皮癌として診断された。転移は考えられていなかったが、腸骨、脊椎への遠隔転移が認められた。
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 本例は、骨髄生検にて比較的分化度の高い移行上皮癌として診断された。転移は考えられていなかったが、腸骨、脊椎への遠隔転移が認められた。
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■症例詳細データ
性別
年齢 75-79
取得年代 1995-1999
主訴 腰部痛。
既往歴 数年前、腹部痛、血尿にて膀胱鏡検査で非乳頭状腫瘍が発見された。経尿道的切除術が行われ、組織学的の浸潤性の移行上皮癌(gradeⅡ)と診断された。
現病歴 経尿道的切除術後、6ヶ月、強い腰部痛にて骨髄転移が疑われ骨髄像検査が実施された。
検査所見 WBC 4,100/μl、
RBC 339万/μl、Hb 11.7g/dl、Ht 35.0%、PLT 8.1万/μl
MCV 103fl、MCH 34.5pg、MCHC 33.4%、
NCC:dry tapのため吸引物からのタッチ標本
末梢血所見 特に異常はなし。
骨髄所見 骨髄はdry tapであったが、結合性の異型細胞が散見され、細胞径30μm大、核は偏在性で、楕円形核を有する異型細胞がみられた。それらはシート状で結合性がみられ、大小不同が目立たない核所見より分化傾向をもつ癌腫の転移と考えた。
細胞化学所見 未詳。
形態診断 結合性の異型細胞のクロマチンは繊細で、青染性の核小体が不明瞭ながらも2~3個認めた。核形は紡錘形など多形性で、細胞質は尾状もみられた。
以上より扁平上皮系か移行上皮系細胞由来を考えた。
免疫学的所見 未詳。
分子生物学的所見 未詳。
リンパ節所見 【膀胱原発巣組織所見】
約半時前の経尿道的切除術時の膀胱原発巣の組織である。細胞配列の乱れは大きくないが細胞層が厚くなり、細胞の大小不同、クロマチンの増加、核分裂像などが認められた。
臨床診断 比較的分化度の高い移行上皮癌として診断された。転移は考えられていなかったが、腸骨、脊椎への遠隔転移が認められた。
*移行上皮癌の骨髄転移:原発;膀胱癌(移行上皮癌gradeⅡ)