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 本例は、末梢血で白赤芽球症、涙滴赤血球の出現、NAPの高値を呈した。骨髄は低形成で顆粒球系に軽度の増殖がみられた。骨髄生検により骨梁の肥厚、硬化と強い細網細胞の増殖を伴う広範な線維化を認めた。
Ph染...
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 本例は、末梢血で白赤芽球症、涙滴赤血球の出現、NAPの高値を呈した。骨髄は低形成で顆粒球系に軽度の増殖がみられた。骨髄生検により骨梁の肥厚、硬化と強い細網細胞の増殖を伴う広範な線維化を認めた。
Ph染色体は陰性より慢性特発性骨髄線維症と診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > その他
性別
年齢 65-69
取得年代 2005-2009
症例の種類 典型例
主訴 白血球増加
既往歴 特になし
現病歴 脾腫
検査所見 RBC 426万/μl、Hb 13.1g/dl、Ht 39.7%、MCV 93.2fl、MCH 30.7pg、MCHC 33.0%、PLT 28.9万/μl
WBC 12,100/μl、NCC 1.4万/μl、LD 1,140U/l、NAP (PR 100%, PS400)
末梢血所見 軽度貧血に白血球増加(12,100/μl)の分類は、Blast1%、Promy1%、My2%、Met1%、St1%、Seg77%、
Eo6%、Ba7%、Ly3%、Mo1%、Ebl 1/100wで白赤芽球症がみられた。そのなかで好酸球(726/μl)や好塩基球(847/μl)の増加もみられ、赤血球は大小不同、奇形や涙滴赤血球(dacryocyte)がみられた。
骨髄所見 【骨髄穿刺】骨髄はdray tapで有核細胞は1.2万/μlと低形成であり、M/E比は4.1と顆粒球系がやや増加していた。芽球の増加はなく顆粒球系やその他に形態異常はみられなかった。
【骨髄生検】骨髄の低形成を証明するために骨髄生検が施行された。骨梁の肥厚、硬化と強い細網細胞の増殖が伴う広範な線維化を示し、顆粒球系に軽度の増殖がみられた。
細胞化学所見 NAP染色は高値(PR100%、PS400)であった。
形態診断 末梢血における白赤芽球症と赤血球の形態異常(涙滴赤血球の出現)、骨髄における低形成は線維化が証明されたことより慢性骨髄増殖性疾患を考え、なかでも骨髄線維症を疑った。
免疫学的所見 N.D
分子生物学的所見 46,XY
リンパ節所見 N.D
臨床診断 白赤芽球症、涙滴赤血球の出現、NAPの高値、Ph染色体陰性、dry tapによる骨髄の線維化より慢性特発性骨髄線維症と診断された。