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 本例は小球性正色素性貧血に伴い、末梢血において赤血球の二相性がみられ、骨髄では顆粒球系に顕著な異形成を認め、また環状鉄芽球の存在よりMDS-RARSと診断された。
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 本例は小球性正色素性貧血に伴い、末梢血において赤血球の二相性がみられ、骨髄では顆粒球系に顕著な異形成を認め、また環状鉄芽球の存在よりMDS-RARSと診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 骨髄異形成症候群 (MDS) > 環状鉄芽球を伴う不応性貧血(後天性特発性...
性別
年齢 65-69
取得年代 2005-2009
症例の種類 典型例
主訴 胸痛
既往歴 特になし
現病歴 胸痛(+)、肝脾腫(+)、リンパ節腫大(-)
検査所見 RBC454万/μl、Hb10.8g/dl、Ht34.2%、MCV75.3fl、MCH23.8pg、MCHC31.6%、
PLT11.2万/μl、WBC3,500/μl (My9.0,Met2.0,St-Seg25.0%、Eo2.0,Mo10.0,Ly52.0%)、
NCC24.6万/μl、LD204U/l、BUN15mg/dl、Ure0.6mg/dl、CRP0.2mg/dl
末梢血所見 小球性正色素性貧血にて赤血球に大小不同、奇形赤血球を認めた。最も顕著な形態として正色素性と低色素性の赤血球が混在(二相性)し、パッペンハイマー小体を認めた。白血球減少(3,500/μl)にて幼若顆粒球の出現と好中球の減少(875/μl)がみられた。
骨髄所見 正形成像にてM/Eは1.1でやや赤芽球が優位であった。芽球は3%で、顆粒球系に低顆粒が多くみられ、他に輪状核や偽ペルゲル核異常がみられた。赤芽球の一部に巨赤芽球様変化や小型巨核球などの形態異常を認めた。
細胞化学所見 赤芽球に対してPAS染色では一部が弱陽性(び慢性)を呈した。また、Fe染色で環状鉄芽球が総赤芽球数の55%を占めていた。
PO染色に陰性の好中球がみられた。
形態診断 小球性貧血に伴う赤血球の二相性、骨髄では芽球は3%で、低率(10%以下)ながら、三系統に異形成を認め、また赤芽球に環状鉄芽球を15%以上(実際は55%)認めたことで鉄芽球性不応性貧血を疑った。
免疫学的所見 N.D
分子生物学的所見 45,XY,del(5),-13
46,XY
リンパ節所見 N.D
臨床診断 小球性正色素性貧血に伴い、末梢血において赤血球の二相性がみられ、骨髄では顆粒球系に顕著な異形成を認め、また環状鉄芽球の存在よりMDS-RARSと診断された。