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 バーキットリンパ腫(Burkitt lymphoma:BL)はc-myc遺伝子(8q24)と免疫グロブリン(Ig)遺伝子(重鎖IgH,14q23、もしくはk鎖,2p12,λ鎖,22q11)の相互転座に起因する高悪性度B細胞性腫瘍である。
組織学的に星空像(...
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 バーキットリンパ腫(Burkitt lymphoma:BL)はc-myc遺伝子(8q24)と免疫グロブリン(Ig)遺伝子(重鎖IgH,14q23、もしくはk鎖,2p12,λ鎖,22q11)の相互転座に起因する高悪性度B細胞性腫瘍である。
組織学的に星空像(stary sky appearance)を伴う中型細胞のびまん性増殖を示す。WHO分類(2001)ではバーキットリンパ腫/白血病と記載されていたが、バーキットリンパ腫は成熟B細胞にて発生することからWHO分類(2008)ではバーキットリンパ腫として表記された。そして、典型的な形態、表現型、遺伝子異常すべてそろったものをBLとして、そうでないものはintermediate DLBCL/BLもしくはDLBCLに含める。
欧米、本邦とも悪性リンパ腫全体の1~2%で、小児と若年成人(30~50歳)に多く、小児リンパ腫の30~50%を占める。
 本型はマラリア流行地域に一致するアフリカ・パプアニューギニアから発生するendemic BLと欧米・本邦を含むその他から発生するsporadic BL、主にhuman-immunodeficiency virus(HIV)感染者に発生する免疫不全関連BLに分類される。endemic BLは小児(4~7歳に多い)に発症する。中村直哉.WHO分類第4版による解説.中外医学社.2009
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■症例詳細データ
FAB分類 > 急性リンパ性白血病 (ALL) > L3;Burkitt型、大細胞性、顕著な...
性別
年齢 45-49
取得年代 2005-2009
症例の種類 典型例
主訴 発熱、倦怠感。
既往歴 特になし
現病歴 発熱、両上肢脱力感(+)、
リンパ節腫脹(+)、肝脾腫(-)
検査所見 RBC412万/μl、Hb13.4g/dl、Ht38.0%、MCV92.2fl、MCH32.5pg、MCHC35.3%、
PLT7.4万/μl、WBC9,100/μl (Blastoid4.0%,My3.0,Met10.0,St-Seg48.0%,Ba1.0,
Mo6.0,Ly28.0%)、NCC13.5万/μl、TP6.1g/dl、LD6,800U/l、UA10.2mg/dl
末梢血所見 白血球正常(9,100/μl)にて芽球様細胞が4%みられた。それらは30μm大の大型で、N/Cは高く、クロマチンはやや繊細で核小体を有し、細胞質の好塩基性は強く打ち抜き状の空胞がみられた。
骨髄所見 正形成像で芽球様細胞は96%にみられた。それらは末梢血と同様に大型でN/Cは高く、クロマチンは繊細で明瞭な核小体を有し、好塩基性の細胞質には大小の空胞を認めた。
細胞化学所見 芽球様細胞はPO染色、EST染色、PAS染色に陰性であった。
形態診断 骨髄像に優位の芽球様細胞は形態的所見よりバーキット型白血病(FAB;L3)の形態を思わせるものであった。
免疫学的所見 CD10,CD19,CD20,CD22,CD79a,HLA-DR(+)、sIgM(+)
CD5,CD23,TdT(-)
分子生物学的所見 46,XY,t(8;14)(q24;q32) [20/20]
IgH/C-MYC(+)
リンパ節所見 増殖する腫瘍細胞は中型で均一、核へ円形でクロマチンは緻密状で、数個の明瞭な核小体を含み細胞質は好塩基性である。また、細胞質や核内にも多数の空胞を認める(脂肪空胞)。
臨床診断 増加する腫瘍細胞はB細胞の性格を有し、形態的にはバーキット型であった。
分子生物学的より8;14転座やIgH/C-MYCが証明されたことでバーキットリンパ腫と診断された。