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 本例は、芽球が形態的ならびにPO染色に陰性であったことより急性リンパ性白血病を考えた。しかし、芽球の大小不同性や芽球の性格が表現型でBcellと骨髄系の混在を示唆するものであり、またPh染色体やminor BCR-...
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 本例は、芽球が形態的ならびにPO染色に陰性であったことより急性リンパ性白血病を考えた。しかし、芽球の大小不同性や芽球の性格が表現型でBcellと骨髄系の混在を示唆するものであり、またPh染色体やminor BCR-ABLが証明されたことよりPh伴った混合性形質性急性白血病と診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > その他
性別
年齢 05-09
取得年代 2005-2009
症例の種類 非典型例
主訴 全身倦怠感、白血球増加。
既往歴 特になし
現病歴 全身倦怠感、肝脾腫(+)。
検査所見 RBC320万/μl、Hb8.1g/dl、Ht30.4%、MCV95.0fl、MCH25.3pg、MCHC26.6%、
PLT6.8万/μl、WBC352,600/μl (Blast98.0%)
NCC145.6万/μl、TP7.2g/dl、LD1037U/l、AST54U/l、ALT35U/l、UA9.8mg/dl
Cre0.56mg/dl、Ca9.2mg/dl、CRP1.4mg/dl
末梢血所見 白血球増加(352,600/μl)にて芽球が98%みられた。それらは大小不同性で大型のものはN/Cが高く、核形不整が顕著であった。
骨髄所見 顕著な過形成像(145.6万/μl)にて芽球は97%みられた。
芽球は大小不同性でN/C比は高く、クロマチンは粗鋼気味で明瞭な核小体や顕著な核形不整を認めた。
細胞化学所見 芽球はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 芽球は形態的ならびにPO染色に陰性であったことより、急性リンパ性白血病を考えた。
しかし、芽球の大小不同は混合性白血病によくみられる所見でもあるので表現型の結果が気になるところ
である。
免疫学的所見 CD10、CD19、CD13、CD33、CD34、HLA-DR(+)
分子生物学的所見 46,XX,t(9;22)(q34;q11) [20]
minor BCR-ABL(+)
リンパ節所見 N.D
臨床診断 芽球の性格は表現型でBcellと骨髄系の混在を示唆するものであり、またPh染色体やminor BCR-ABLの証明よりPh伴った混合性形質性急性白血病と診断された。