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 本例は、末梢血、骨髄に異常リンパ球の集簇性を認め、皮膚生検にて小血管内に腫瘍細胞が充満し、それらはCD20、CD79a、CD45ROが陽性を示したことより血管内大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された。主に神経症状...
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 本例は、末梢血、骨髄に異常リンパ球の集簇性を認め、皮膚生検にて小血管内に腫瘍細胞が充満し、それらはCD20、CD79a、CD45ROが陽性を示したことより血管内大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された。主に神経症状を呈し、血球貪食像がみられなかったことよりWestern formに分類された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > その他
性別
年齢 70-74
取得年代 2005-2009
症例の種類 典型例
主訴 症候性てんかん
既往歴 多発性脳梗塞
現病歴 神経症状、巣症状
検査所見 WBC4,000/μl (St2, Seg66, Ly20, Mo10, Ab.Ly2%)
RBC335万/μl、Hb9.8g/dl、Ht30.4%、MCV90.7fl、MCH29.2pg、MCHC32.2%、PLT8.9万/μl
TP6.1g/dl、Alb2.7g/dl、LDH410IU/l、ALP205IU/l、BUN18.0mg/dl、Cre0.9mg/dl、Ca17.4mg/dl
CRP3.1mg/dl、
NCC15.2万/μl(Ab.Ly56.0%)
末梢血所見 末梢血液像にて異常リンパ球を2%認め、塗抹の引き終わりの1か所に集簇性を認めた。それらは大型でN/Cは低く、一部に核形不整(くびれ)がみられ、クロマチンは粗鋼、細胞質の好塩基性が強度であった。
骨髄所見 骨髄はやや正形成で、異常リンパ球を56%認めた。それらには末梢血同様の集簇性が散見された。それらは、大型でN/Cは低く、一部に核形不整(くびれ)がみられ、クロマチンは粗鋼、細胞質の好塩基性は強度であった。血球貪食像は認めなかった。
細胞化学所見 異常リンパ球はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄にみられる異常リンパ球は集簇性があり、血管内大細胞型B細胞性リンパ腫を疑った。
免疫学的所見 [皮膚生検] CD20(+)、CD79a(+)、CD45RO(+)、EMA(-)
分子生物学的所見 46,XX [20]
リンパ節所見 [皮膚生検] 小血管内に腫瘍細胞が充満していた。それらはN/C比の増大と大型でクロマチンの増量を伴い、核形不整(くびれ)を認める異常リンパ球であった。
臨床診断 末梢血、骨髄にみられる異常リンパ球は集簇性があり、皮膚生検にて小血管内に腫瘍細胞が充満し、それらはCD20、CD79a、CD45ROが陽性を示したことより血管内大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された。主に神経症状を呈し、血球貪食像がみられないことよりWestern formに分類された。
(久留米大学病理,大島孝一先生のご協力によるもの)