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 本例は、臨床的に縦隔・腹腔内リンパ節腫脹や肝臓に多発性の腫瘍性を認め、骨髄の集蔟性の腫瘍細胞は免疫染色でcytokeratin(AE1/AE3)が陽性を呈したことより転移性小細胞癌(神経内分泌癌)と診断された。
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 本例は、臨床的に縦隔・腹腔内リンパ節腫脹や肝臓に多発性の腫瘍性を認め、骨髄の集蔟性の腫瘍細胞は免疫染色でcytokeratin(AE1/AE3)が陽性を呈したことより転移性小細胞癌(神経内分泌癌)と診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 65-69
取得年代 2010-2014
主訴 全身倦怠感
既往歴 特になし
現病歴 全身倦怠感を2週間前より感じるようになり食欲の低下もみられた。近医を受診し、血小板減少や肝胆道系の異常を指摘され当科へ紹介された。眼瞼結膜に貧血ないが黄疸あり。腹部は膨満し肝腫(6横指)を認め脾腫はなし。表在リンパ節腫大なし。画像検査:縦隔・腹腔内リンパ節腫脹、肝臓に多発の腫瘍性病変を認めた。
検査所見 WBC6,200/μl (My.1%, Met3, St9, Seg49, Eo1,Ly28, Mo9, Ebl 3/100w)
RBC378万/μl、Hb12.1g/dl、Ht35.2%、MCV93.1fl 、MCH32.0pg、MCHC34.3%、PLT2.8万/μl
NCC12.2万/μl、TP6.0g/dl、T-bil 5.8mg/dl、AST401IU/l、ALT201IU/l、LDH4,829IU/l、ALP1,811IU/lCre1.0mg/dl、Ca11.5mg/dl、CRP10.9mg/dl、sIL-2R 980U/ml、CA19-9 2310U/ml
NSE 1,300ng/ml
末梢血所見 白血球は正常で末梢血に幼若顆粒球と赤芽球の出現がみられた(白赤芽球症)。他に単球の軽度増加とマクロファージがみられた。
骨髄所見 骨髄は正形成のもと、三系統に正常の造血がみられた。周囲には大型細胞が集蔟して散見され、その一部には裸核状がみられた。それらは63%みられ、N/C比は低く、細胞質は好塩基性で空胞を有するものもみられた。集蔟から上皮性結合を疑い癌細胞の骨髄転移を疑った。
細胞化学所見 腫瘍細胞はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 末梢血の白赤芽球症は癌細胞の骨髄転移を疑い、その集蔟は一列縦隊(インデアンファイル)を思わせるものから小細胞癌を疑った。
免疫学的所見 骨髄生検の免疫染色で、CD56・AE1/AE3・CD7(+)、CD3・CD20・TTF1・Synaptophysin(-)であった。
分子生物学的所見 51,XY,+1,+3,+6,t(6;22)(q13;q13),t(8;19)(q22;q13),-13,t(13;13)(p10;p10),-14,+t(14;17) (q10;q10),-17,+19,+19,+21,+mar1,+mar2 [20]
リンパ節所見 N.D
臨床診断 臨床的には縦隔・腹腔内リンパ節腫脹や肝臓に多発性の腫瘍性を認め、骨髄の集蔟性の腫瘍細胞は免疫染色でcytokeratin(AE1/AE3)が陽性を呈したことより転移性小細胞癌(神経内分泌癌)と診断された。