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 本例は、末梢血や骨髄に増加する芽球について形態学的、免疫学的にT細胞系と骨髄系の二系統の混在を考えた。よって二系統以上の分化を有する急性白血病を疑い、混合表現型急性白血病(T/骨髄形質)として系統不明...
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 本例は、末梢血や骨髄に増加する芽球について形態学的、免疫学的にT細胞系と骨髄系の二系統の混在を考えた。よって二系統以上の分化を有する急性白血病を疑い、混合表現型急性白血病(T/骨髄形質)として系統不明の急性白血病と診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 60-64
取得年代 2010-2014
主訴 全身倦怠感
既往歴 特になし
現病歴 眼瞼結膜に貧血を認め黄疸は認めない。頚部、腋窩リンパ節の腫脹を認める。肝脾腫は触知しない。
検査所見 WBC45,200/μl (Blast45,Promy3,My1,Met1,St4,Seg12,Eo1,Ba3,Ly15,Mo15%)
RBC312万/μl、Hb9.0g/dl、Ht27.6%, MCV88.4fl、MCHC32.6%、PLT4.1万/μl
PT78%、APTT27.5sec、Fibg275mg/dl、FDP13.8μg/ml、TP6.8g/dl、ALB3.6g/dl、AST72IU/l、ALT54IU/l、BUN13.0mg/dl、Cre0.6mg/dl、UA6.1mg/dl、LDH483IU/l、CRP1.52mg/dl、 NCC42.6万/μl
末梢血所見 白血球増加(45,200/μl)のもと芽球が45%みられた。それらは大小不同で、大型の芽球はN/C比が低く、クロマチンは繊細で核小体が明瞭であった。
骨髄所見 骨髄は過形成で芽球は84%みられた。骨髄の芽球は末梢血と同様に大小不同性がみられた。大型の芽球はN/C比は低く核小体が明瞭であった。小型の芽球はN/C比が低くクロマチンは粗鋼で濃染状を呈し核形不整のものがみられた。
細胞化学所見 大型の芽球はPO染色に陽性のものがみられたが、PAS染色やEST(ブチレート)染色には陰性であった。小型の芽球はPO染色に陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄に増加する芽球は大小不同性で、形態学的には二系統が混在しているようであった。PO染色に大半は陰性であったが一部に陽性を呈するものがみられたことより二系統の混在を疑った。
免疫学的所見 [骨髄細胞] CD2・CD3・CD4・CD5・CD7・CD8・TCRβ1(+)、CD10・CD19・CD20・CD23・κ・λ(-) CD13・CD33・CD34(+)、HLA-DR(±)
分子生物学的所見 46,XX
リンパ節所見 [頚部リンパ節生検-HE]
小型から中型のリンパ球様細胞のびまん性増殖のなかに大型の細胞を認め、小型の細胞には核形不整を認めるものがみられた。
臨床診断 末梢血や骨髄に増加する芽球には形態学的、免疫学的にT細胞系と骨髄系の二系統の混在を考えた。よって二系統以上の分化を有する急性白血病を疑い、混合表現型急性白血病(T/骨髄形質)として系統不明の急性白血病と診断された。