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 本例は、末梢血にて単球系が優位で、骨髄では芽球の増加(33%)に加え、顆粒球系と単球系の増加がみられた。それらはPO染色やEST二重染色においても証明されたことよりAML-M4と診断された。分子生物学的に11p15/N...
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 本例は、末梢血にて単球系が優位で、骨髄では芽球の増加(33%)に加え、顆粒球系と単球系の増加がみられた。それらはPO染色やEST二重染色においても証明されたことよりAML-M4と診断された。分子生物学的に11p15/NUP98転座を示すものであった。
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■症例詳細データ
性別
年齢 70-74
取得年代 2010-2014
主訴 ふらつき、目のかすみ、両下肢のだるさ
既往歴 55歳:脳梗塞、56歳:心筋梗塞、68歳:腎臓結石
現病歴 2年前よりふらつきや目のかすみが出始め、近医を受診したところ眼底出血を指摘され前医内科を紹介受診した。末梢血の白血球増加、貧血、血小板減少を指摘され、頭部MR検査にて両側大脳白質にT1・T2の多発病変を認めた。
検査所見 WBC11,100/μl (Seg2,Ly1, Mo97%)、RBC180万/μl、Hb7.2g/dl、Ht20.2%、MCV112.0fl、MCHC35.6%、PLT5.8万/μl、TP6.8g/dl、AST15IU/l、ALT15IU/l、LDH275IU/l、BUN13.5mg/dl, T-Bili 0.4mg/dl、Cre1.39mg/dl、Fe158μg/dl、CRP1.0mg/dl、Lysozyme(s)42.4μg/ml・(u)1.3μg/ml、NCC22.4万/μl(blast33.0%)
末梢血所見 白血球増加(11,100/μl)のもと単球が97%(10,767/μl)と増加していた。
骨髄所見 正形成の骨髄像で芽球は33%みられ、他に顆粒球系43%、単球が16%みられた。
細胞化学所見 芽球はPO染色に陽性、顆粒球系はPO染色に陽性、単球系は陰性(一部弱陽性)が多くみられた。EST二重染色は顆粒球系のクロロアセテートに陽性が多くみられ、単球系はブチレートに陽性は比較的に少ないようであった。
形態診断 末梢血は単球系の増加が顕著であったが、骨髄は芽球が20%以上で、顆粒球系と単球系の混在がみられることより急性骨髄単球性白血病(M4)を疑った。また、血清リゾチームも上昇していた(42.4μg/ml)ことよりM4を支持するものであった。
免疫学的所見 CD13・CD33・CD34・HLA-DR(+)、CD14(-)
分子生物学的所見 骨髄:46,XY,t(11;20)(p15;q11.2) [17] 46,XY [3]
骨髄: FISH:NUP98スプリットシグナル(94%)
リンパ節所見 N.D
臨床診断 末梢血は単球系が優位で、骨髄は芽球の増加(33%)に加え、顆粒球系と単球系の増加がみられることよりAML-M4と診断された。分子生物学的に11p15/NUP98転座を示すものであった。