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本例は、乳癌(分化型腺癌)診断後、化学療法としてアルキル化剤(mitomycin、cyclophosphamide)が投与され、2年後にAML-M3へ転化したものと診断された。WHO(2008)では、治療関連性骨髄腫瘍のカテゴリーのなかの治... (続きを読む)
本例は、乳癌(分化型腺癌)診断後、化学療法としてアルキル化剤(mitomycin、cyclophosphamide)が投与され、2年後にAML-M3へ転化したものと診断された。WHO(2008)では、治療関連性骨髄腫瘍のカテゴリーのなかの治療関連AMLとなる。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
性別 |
男
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年齢 |
50-54
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取得年代 |
2005-2009
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主訴 |
汎血球減少
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既往歴 |
2年前に右乳腺原発の乳癌の診断による右乳房の切除(分化型腺癌)
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現病歴 |
【経過】右乳房切除後、mitomycin C、cyclophosphamideによる治療がなされた。診断2年目に
汎血球減少症を認めたため骨髄穿刺が施行された。
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検査所見 |
RBC289万/μl、Hb9.4g/dl、Ht27.1%、MCV93.7fl、MCHC34.6%、PLT5.6万/μl、WBC3,200/μl(abnormal cell 14%)、BM-NCC8.4万/μl(abnormal cell 78%)、PT58%、Fibrinogen110mg/dl、FDP41μg/ml、ATⅢ102%
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末梢血所見 |
白血球減少(3,200/μl)にて異常細胞を14%認めた。それは、大型で、クロマチンは繊細で核形不整が顕著で、豊富な細胞質には微細なアズール顆粒が充満していた。アウエル小体は不明であった。
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骨髄所見 |
骨髄は低形成であったが異常細胞を78%認めた。それらは、核形不整や異常顆粒を有し、なかにはアウエル小体を認めるものみられた。形態学的に異常の前骨髄球を疑った。
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細胞化学所見 |
異常細胞はPO染色に強陽性で、PAS染色にび漫性陽性、クロロアセテートEST染色に陽性であった。
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形態診断 |
末梢血の異常細胞は形態所見とPO染色に強陽性であったことより異常の前骨髄球と同定してAML-M3を疑った。初診時が乳腺原発の分化型腺癌であり、治療薬としてアルキル化剤が投与されていたことより二次性白血病(治療関連のAML)を疑った。
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免疫学的所見 |
CD13(+)、CD33(+)、CD34(-)、HLA-DR(-)
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分子生物学的所見 |
46,XX,t(15;17)(q22;q12)/16 PML-RARA(+)
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リンパ節所見 |
N.D
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臨床診断 |
乳癌(分化型腺癌)診断後、化学療法としてアルキル化剤(mitomycin、cyclophosphamide)が投与され、2年後にAML-M3へ転化したものと診断された。WHO(2008)では、治療関連性骨髄腫瘍のカテゴリーのなかの治療関連AMLとなる。
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