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 瀰漫性B大細胞型リンパ腫(DLBCL)の組織形態から①centroblastic,
②immunoblastic、③anaplasticに、浸潤形態から④T-cell/histiocyte richの規定を設けている。
①は中型~大型類円形空胞状の核、核膜に付着する2...
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 瀰漫性B大細胞型リンパ腫(DLBCL)の組織形態から①centroblastic,
②immunoblastic、③anaplasticに、浸潤形態から④T-cell/histiocyte richの規定を設けている。
①は中型~大型類円形空胞状の核、核膜に付着する2~4個の核、少量の細胞質を有する。②は大型類円形空胞状の核の中心に1つの核小体を有し、中等度の好塩基性の細胞質をもつ免疫芽球が90%以上占める。③は異型の強い巨核細胞や多核細胞を認める。④は腫瘍性の大型B細胞が極端に少ないものをいい、腫瘍細胞も多くなく、小型B細胞がほとんどみられないものを指す。
     
 本例は、骨髄のリンパ系細胞が表現型からB細胞を支持するものであった。
リンパ節生検では増殖するリンパ腫細胞は大細胞型で、核形不整が強く、核小体が明瞭であり、免疫染色にてCD20が陽性などの所見より瀰漫性B大細胞型リンパ腫と診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 60-64
取得年代 2000-2004
主訴 リンパ節腫脹。
既往歴 特になし。
現病歴 両頚部、右腋窩リンパ節腫脹に気づき来院し、精査のため骨髄検査、リンパ節生検が施行された。
検査所見 WBC 6,900/μl、RBC 431万/μl、Hb 14.1g/dl、Ht 38.7%、
MCV 89.7fl、MCH 32.7pg、MCHC 32.7%、PLT 24.2万/μl、
LDH 275lU/l、Ca 9.3mg/dl、UA 5.0mg/dl
末梢血所見 正常白血球(6,900/μl)にて好中球44%、リンパ球40%と著変はない。
骨髄所見 低形成像にて大型で芽球様が50%みられた。
それらは大型で核形不整が顕著で空胞を有し、クロマチンは粗網で細胞質の好塩基性は中等度であった。
細胞化学所見 芽球様はPO染色、PAS染色、EST染色、sudanⅡ(Oil red 0)染色に陰性であった。
形態診断 芽球様は形態学的ならびにPO染色が陰性よりリンパ系が考えられた。
それらは大型で形態異常は強く、顕著な空胞についてはsudanⅡ染色が陰性より脂肪の存在は一応打ち消し、非ホジキンリンパ腫の大細胞型を考えた。
免疫学的所見 CD19,CD20,CD22,CD79a(+)
分子生物学的所見 ①46,XY‥20/20
リンパ節所見 【病理組織診断】
腫瘍性細胞は中型~大型類円形状の核を有し、核形不整や核小体を認めるものがある。
N/C比は高くcentroblastの増殖も混在する。
臨床診断 骨髄のリンパ系細胞は、表現型からB細胞を支持するものであった。リンパ節生検では増殖するリンパ腫細胞は大細胞型で、核形不整が強く、核小体が明瞭であり、免疫染色にてCD20が陽性などの所見より瀰漫性B大細胞型リンパ腫と診断された。