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  本例は、高齢でリンパ球数が10,533/μl、骨髄のリンパ球が46.8%でCLLの診断基準をクリアーするものであり、またB cell型やリンパ節生検所見よりCLLと診断された。診断後貧血、臨床所見、臓器浸潤などを認めない。
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  本例は、高齢でリンパ球数が10,533/μl、骨髄のリンパ球が46.8%でCLLの診断基準をクリアーするものであり、またB cell型やリンパ節生検所見よりCLLと診断された。診断後貧血、臨床所見、臓器浸潤などを認めない。
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■症例詳細データ
性別
年齢 70-74
取得年代 1995-1999
主訴 全身倦怠感、リンパ節腫脹。
既往歴 一過性脳虚血疾患。
現病歴 全身倦怠感、頚部・鎖骨上窩・腋窩リンパ節腫脹を認める。
軽度の脾腫を認めた。
検査所見 WBC 14,4300/μl (St-Seg25.5, Ly73.0, Mo.1.0,
Ba0.5%)
RBC 365万/μl、Hb 10.5g/dl、Ht 34.3%、MCV 93.9fl、MCH 28.8pg、MCHC 30.6%、PLT 18.6万/μl、NCC 20.6万/μl、Mgk 62.5/μl (Ab.ly40.8%)、LD 317IU/l、TP 7.0g/dl、CRP 0.07mg/dl、BUN 11.7mg/dl、UA 3.4mg/dl、Ca 9.0mg/dl、AST 29IU/l、ALT 20IU/l
末梢血所見 末梢血のリンパ球数は10,533/μl、それらは小型でN/C比は高く、クロマチンは粗造で成熟(正常)リンパ球を思わせた。
高齢でリンパ球数が10,000/μl以上みられることからまずCLLを疑った。
骨髄所見 正形成像にてリンパ球は小型から中型で46.8%みられた。
形態学的にはクロマチンは粗造で成熟リンパ球を思わせるものであった。
病理学的処理によるHE染色では小型の成熟リンパ球の増殖であった。
細胞化学所見 リンパ球はPO染色に陰性で、PAS染色、EST染色も陰性であった。
形態診断 末梢血のリンパ球が10,533/μl、骨髄のリンパ球は46.8%であった。
高齢でリンパ球数が10,000/μl以上みられることからまずCLLを疑った。
免疫学的所見 CD5,CD19,CD23,CD79a(+)
sIgM(±)、IgM+IgD(+)
骨髄セルブロックの免疫染色にてCD79aが陽性。
分子生物学的所見 ①46,XX‥20/20
リンパ節所見 【病理組織診断】
リンパ節の構築は破綻され、腫瘍細胞のび慢性増殖が認められた。主たる細胞は小型リンパ球であり、一部に核小体を示すものもみられた。
形態像より、CLL/SLLと診断される。
臨床診断 末梢血・骨髄に増加する成熟リンパ球はともにCLLの診断基準をクリアーするものであり、表現型やリンパ節生検所見よりCLLと診断された。
診断後貧血、臨床所見、臓器浸潤などを認めないことより治療はせず経過観察中である。