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本例は、芽球の増加を伴わないMDS(RA)と診断された。
染色体異常においては複雑な核型異常が認められ、MDSを支持するものであった。初診の悪性リンパ腫(diffuse,small cell type)に伴う、放射線療法、化学療法... (続きを読む)
本例は、芽球の増加を伴わないMDS(RA)と診断された。
染色体異常においては複雑な核型異常が認められ、MDSを支持するものであった。初診の悪性リンパ腫(diffuse,small cell type)に伴う、放射線療法、化学療法(約1年以上)による2次性MDSの発症と診断された。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
性別 |
男
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年齢 |
60-64
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取得年代 |
1995-1999
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主訴 |
発熱。
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既往歴 |
12年前、悪性リンパ腫(diffuse, small cell type)の診断。
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現病歴 |
初診(12年前)の悪性リンパ腫より約1年以上、放射線、化学療法がなされた後経過観察中であった。
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検査所見 |
WBC 2,920/μl(St-Seg68, Ly21, Mo9, Eo2%)
RBC 184万/μl、Hb 6.2g/dl、Ht 21.4%、
MCV 116.3fl、MCH 33.6pg、MCHC 29.0%、PLT 16.6万/μl、NCC 10.2万/μl、Mgk 43.75/μl、
LD 247IU/l、TP 7.8g/dl、CRP 2.1mg/dl
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末梢血所見 |
血液像にて芽球は認めず著変はみられなかった。
赤血球形態では大型赤血球や奇形赤血球を認めた。
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骨髄所見 |
骨髄ではM/E比は1.2と赤芽球がやや優位で、芽球は3%であった。形態異常として、顆粒球系に輪状核のもの、赤芽球系に2核のもの、巨核球に小型のものなどがみられた。
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細胞化学所見 |
PO染色における好中球の陽性所見に異常はみられず、PAS染色で赤芽球は陰性、Fe染色で赤芽球は陰性であった。
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形態診断 |
大球性正色素性貧血のなか、芽球の増加はないものの、少なからず3系統に軽度ながら形態異常を認めたことより骨髄異形成症候群(MDS:RA)を疑った。
初診が悪性リンパ腫より治療後の2次性MDSの発症を考えた。
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免疫学的所見 |
CD13・CD33・CD34・HLA-DR (+)
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分子生物学的所見 |
50,X,-Y,+6,+8,+9,+10,add(12)(q11),del(13)
(q12q14),der(13;22)(q10;q10)[20]
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リンパ節所見 |
再発時には未施行。
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臨床診断 |
芽球の増加を伴わないMDS(RA)と診断された。
染色体異常においては複雑な核型異常が認められ、MDSを支持するものである。
初診の悪性リンパ腫(diffuse,small cell type)に伴う、放射線療法、化学療法(約1年以上)による2次性MDSの発症と診断された。
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