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 本例は芽球の割合と単球数の増加からCMML-1と診断されたものである。
増加する単球は成熟型で、骨髄よりも末梢血に多く(1,000/μl以上)みられる。MPNの範疇のためPh染色体(-)、BCR-ABL遺伝子(-)が重要である。
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 本例は芽球の割合と単球数の増加からCMML-1と診断されたものである。
増加する単球は成熟型で、骨髄よりも末梢血に多く(1,000/μl以上)みられる。MPNの範疇のためPh染色体(-)、BCR-ABL遺伝子(-)が重要である。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 骨髄異形成症候群 (MDS) > 慢性骨髄単球性白血病
性別
年齢 65-69
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、体重減少、倦怠感。
既往歴 特になし。
現病歴 肝脾腫(+)、リンパ節腫脹(-)
検査所見 WBC 26,500/μl (Met2, St-Seg55, Ly20, Mo21, Eo2%)
RBC 503万/μl、Hb 14.2g/dl、Ht 45.8%、PLT 9.1万/μl、
MCV 91.0fl、MCH 28.2pg、MCHC 31.0%、
NCC 20.5万/μl、MgK 165.0/μl (芽球5.2%)、LD 574IU/l、CRP 0.08mg/dl、
TP 8.3g/dl、BUN 12.9mg/dl、Ca 9.1mg/dl、AST 28IU/l、ALT 16IU/l、UA 8.7mg/dl、Fbg 245mg/dl、リゾチーム(s) 26.3μg/ml
末梢血所見 白血球増加(26,500/μl)にて単球の増加(5,565/μl)がみられた。
芽球は認めなかった。
骨髄所見 M/E比は5.0と顆粒球系が優位で芽球は5.0%、単球系は幼若型を含めで20.2%であった。
形態異常としては、顆粒球系に輪状核、血小板系に小型巨核球、単円形核、豊富なアズール顆粒を有するものがみられ2系統に異形成を認めた。
細胞化学所見 PO染色では顆粒球系に陽性、単球系は陰性から弱陽性であった。EST二重染色では単球系は陰性で、顆粒球系は陽性であった。
形態診断 芽球は末梢血にはみられず、骨髄では5.2%、しかも末梢血の単球数は1,000/μl以上(実際は5,565/μl)よりCMMLを疑い、形態異常は2系統異常にみられたことよりCMMLを強調した。EST染色についてはブチレートが単球に陰性のタイプとして捉えた。
免疫学的所見 CD13(83.2%)、CD33(70.2%)、CD34(31.8%)、HLA-DR(79.3%)
分子生物学的所見 46,XY‥20/20cell
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 末梢血の単球の増加(1,000/μl以上)、骨髄の芽球が10%以下、それに2系統以上の形態異常、リゾチームの上昇からCMML-1と診断された。診断後、寛解導入療法としてIDA、AraCが開始された。1ヶ月後、16ミトキサントロン、AraC、さらに2ヶ月後CAG療法が施行された。1ヶ月後、骨髄ではCRではなかったが、maximamの効果が得られたとして治療が中止された。
その後5年間無治療で経過観察中である。