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本例は顆粒球の成熟段階がみられることとNAP活性の低下、臨床的に脾腫が顕著でありCMLの慢性期として診断された。
後報告の染色体検査にて9;22転座やBCR/ABL遺伝子が証明されCMLを支持するものになった。 (続きを読む)
本例は顆粒球の成熟段階がみられることとNAP活性の低下、臨床的に脾腫が顕著でありCMLの慢性期として診断された。
後報告の染色体検査にて9;22転座やBCR/ABL遺伝子が証明されCMLを支持するものになった。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 慢性骨髄性白血病 (CML)
> 慢性骨髄性白血病
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性別 |
男
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年齢 |
50-54
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取得年代 |
2000-2004
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主訴 |
倦怠感、腹部膨満感、白血球増加。
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既往歴 |
特になし。
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現病歴 |
白血球著増にて精査のため入院となる。
肝脾腫(+)
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検査所見 |
WBC 186,250/μl(芽球10, Promy14, My18, Met10, St-Seg36, Ly2, Ba5, Eo5%)
RBC 356万/μl、Hb 11.5g/dl、Ht 32.7%、PLT 52.6万/μl、MCV 91.8fl、MCH 32.3pg、MCHC 32.3%、NCC 78.6万/μl、MgK 187.5/μl (芽球3.0%)、LD 1,260IU/l、UA 9.3mg/dl、Ca 9.4mg/dl
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末梢血所見 |
白血球著増(186,250/μl)にて芽球は10%、以降顆粒球の分化段階がみられた。
好酸球、好塩基球は各々5%みられた。
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骨髄所見 |
過形成像にてM/E比は24.1と顆粒球系の顕著な増加がみられた。芽球は3%前後で好酸球や好塩基球の混在もみられた。
好中球に顆粒の出現が乏しいものが多くみられた。
また、形態異常としては輪状核の好中球や小型で円形核の巨核球がみられた。
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細胞化学所見 |
PO染色にて顆粒球系全般に所見たるものはなかった。
好中球のNAP染色では、陽性率22%、陽性指数32と低値を示した。
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形態診断 |
末梢血、骨髄ともに分化段階にある顆粒球系の過形成とNAP染色の活性低下から慢性骨髄性白血病(CML)を疑った。
輪状核の好中球や円形核の巨核球など若干の形態異常を認めたが赤芽球の抑制を考慮するとMDSは否定するものと思われるがPh染色体の検索が必須である。
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免疫学的所見 |
CD13、CD14、CD33(+)、HLA-DR(±)
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分子生物学的所見 |
①46,XY,t(9;22)(q34;q11)‥20/20cell
②BCR/ABL(+)
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リンパ節所見 |
未施行。
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臨床診断 |
顆粒球の成熟段階がみられることとNAP活性の低下、臨床的に脾腫が顕著でありCMLの慢性期として診断された。
後報告の染色体検査にて9;22転座やBCR/ABL遺伝子が証明されCMLを支持するものになった。
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