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 マントル細胞リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の3~10%を占め、中年から高年層に多く、発症年齢中央値は60歳で男性に多い[Anon.1997,Velders GA.1996]。
 
 本例は、末梢血、骨髄、リンパ節に増加、増殖す...
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 マントル細胞リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の3~10%を占め、中年から高年層に多く、発症年齢中央値は60歳で男性に多い[Anon.1997,Velders GA.1996]。
 
 本例は、末梢血、骨髄、リンパ節に増加、増殖するリンパ球は中型で核形不整がみられたこと、またCD5、cyclin D1が陽性、t(11;14)の核型異常がみられたことでマントル細胞リンパ腫と診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 70-74
取得年代 2000-2004
主訴 発熱、リンパ節腫脹。
既往歴 特になし。
現病歴 胸写X-Pにて胸水、腹部エコーにて肝脾腫を指摘され入院となる。
検査所見 WBC 9,300/μl (St-Seg67, Ly25, M03, Ab.ly5%)
RBC 258万/μl、Hb 7.7g/dl、Ht 23.5%、PLT 8.2万/μl
MCV 91.0fl、MCH 29.8pg、MCHC 32.7%、
NCC 26.5万/μl、MgK 12.5/μl (Ab.ly65%)、
LD 600IU/l、TP 5.8g/dl、BUN 22.0mg/dl、Cre 0.98mg/dl、AST 26IU/l、ALT 25IU/l、HTLV-1抗体(-)
末梢血所見 白血球軽度増加(9,300/μl)にて病的リンパ球が5%みられた。それらは中型でN/C比が高く、クロマチンは粗鋼で核形不整や核小体を認めた。
骨髄所見 正形成像にて病的リンパ球が12%みられた。
末梢血と同様中型から一部が大型でN/C比が高く、クロマチンは粗鋼で核形不整が認められた。
細胞化学所見 病的リンパ球はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄の病的リンパ球は中型から大型でN/C比が高く核形不整が特徴的であった。
形態学的に成熟B細胞性腫瘍を考え、独特な核形不整よりマントル細胞リンパ腫を疑ったがATLやDLBCL(び慢性大細胞型B細胞リンパ腫)は否定したいところである。
免疫学的所見 CD5, CD7, CD19, CD20 (+)
CD10, CD23(-)
cyclin D1(+)
分子生物学的所見 ①46,XY,t(11;14)(q13;q32)
②bcl/IgH
リンパ節所見 【病理組織診断】
Non-Hodgkin's lymphoma, diffuse small to medium sized cell type. Mantle cell lymphoma.
臨床診断 末梢血、骨髄、リンパ節に増加、増殖するリンパ球は中型で核形不整がみられたこと、またCD5、cyclin D1が陽性、t(11;14)の核型異常がみられたことでマントル細胞リンパ腫と診断された。