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本例は末梢血、骨髄で増加するリンパ球は villous lymphocyte を思わせるもので、白脾髄の増生とその拡大を認めた。表現型はB-cellであったことより脾辺縁帯リンパ腫と診断された。なかでも白血球の著増(262,60... (続きを読む)
本例は末梢血、骨髄で増加するリンパ球は villous lymphocyte を思わせるもので、白脾髄の増生とその拡大を認めた。表現型はB-cellであったことより脾辺縁帯リンパ腫と診断された。なかでも白血球の著増(262,600/μl)に伴いリンパ球が96%みられたことよりsplenic lymphoma with villous lymphoma(SLVL)の診断に合致している。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 慢性 (成熟型) リンパ性白血病 (CL...
> B細胞白血病
> 毛様リンパ球を伴う脾リンパ腫
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性別 |
男
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年齢 |
60-64
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取得年代 |
2005-2009
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症例の種類 |
典型例
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主訴 |
腹部膨満感
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既往歴 |
特になし
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現病歴 |
脾腫
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検査所見 |
RBC 343万/μl、Hb 11.3g/dl、Ht 34.6%、MCV 100.8fl、MCH 32.9pg、MCHC 32.7%、PLT 4.4万/μl
WBC 262,600/μl、NCC 68.5万/μl、LD 252U/l、CRP 2.1mg/dl
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末梢血所見 |
白血球の著増(262,600/μl)にてリンパ球が96%みられた。それらは20μm大の中型で、N/C比はやや低く、クロマチンは粗鋼で、軽度の核形不整や細胞質には突起を認めるものがあった。
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骨髄所見 |
過形成像にてリンパ系が78%と増加していた。それらは中型リンパ球様で、N/C比はやや高く、一部に核形不整を認め、クロマチンは粗鋼で細胞質には突起を有するものもみられた。
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細胞化学所見 |
リンパ球はPO染色、PAS染色、EST染色は陰性であった。
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形態診断 |
増加するリンパ球は成熟型であり、細胞質の突起物から villous lymphocyteとして捉え、
hairly cell leukemia(HCL)も考慮し検索をすすめる必要がある。
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免疫学的所見 |
CD19+, CD20+, HLA-DR+, CD5・CD10(-)
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分子生物学的所見 |
46,XY
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リンパ節所見 |
脾門リンパ節のHE染色:白脾髄の増生と小型で円形のリンパ球が増殖している。なかには中型〜大型の細胞が混在して増殖する箇所も散見される。なかには芽球様もみられる。
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臨床診断 |
末梢血、骨髄で増加するリンパ球は villous lymphocyte を思わせるもので、白脾髄の増生とその拡大を認めた。表現型はB-cellであったことより脾辺縁帯リンパ腫と診断された。
HCLとの鑑別が困難であるが、本症は骨髄での増殖像が結節性であることが鑑別とされる。(本例は日本臨床衛生検査技師会形態検査部門に提示されたもの)
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