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急性骨髄性白血病 (AML)
1976年、FABグループが提案した急性白血病のFAB分類があくまでも基本であり、1985年にAMLを数値基準から病型分類したものが発表され、1991年に微分化型AMLとしてM0が追加されAMLの病型分類が確立した。AMLの診断...
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1976年、FABグループが提案した急性白血病のFAB分類があくまでも基本であり、1985年にAMLを数値基準から病型分類したものが発表され、1991年に微分化型AMLとしてM0が追加されAMLの病型分類が確立した。AMLの診断には、骨髄での芽球が30%以上占め、PO染色に3%以上が陽性を示すことやアウエル小体を有することがポイントである。しかし、M0、M5(一部陽性)、M7の芽球はPO陰性であるが表現型にてAMLの範疇になる。芽球とは病的骨髄芽球、病的単芽球や未熟赤芽球が含まれる。
(1)M0:最未分化型骨髄芽球性白血病(Minimally differentiated AML.1991)
  骨髄芽球はアズール顆粒やアウエル小体を認めない。PO染色が陰性のため表現型にてCD13,CD33,抗MPO(ミエロペルオキシダーゼ)が陽性で、電子顕微鏡(電顕)検査にてMPOが証明される。
(2)M1:未分化型骨髄芽球性白血病(Myeloblastic leukemia without maturation.1976,1985)
  骨髄芽球は骨髄で90%以上、アズール顆粒を認めない(TypeⅠ)と僅かに認める(TypeⅡ)が混在し、PO染色の陽性が3%以上、アウエル小体を認める。骨髄芽球は赤芽球を除いた骨髄細胞(NEC)から算出され、前骨髄球以上に分化した顆粒球系または単球系はNEC中の10%以下である。
(3)M2:分化型骨髄芽球性白血病(Myeloblastic leukemia with maturation.1976,1985)
  骨髄芽球は30%~90%、前骨髄球以上に分化した顆粒球系がNEC中の10%以上、単球は20%以下である。アウエル小体は1コ。8;21転座例では骨髄芽球は広い細胞質と顆粒を有する。この骨髄芽球は前骨髄球と区別する。
(4)M3:前骨髄球性白血病(hypergranular promyelocytic leukemia.1976,1985)
  強い顆粒をもつ異常な前骨髄球は、なかに多数のアウエル小体の束(faggot cell)を有する。DICがみられ、15;17転座例がある。
   M3v:低顆粒や顆粒の小さいvariant form(variant M3.1980)。顆粒は電顕像では明瞭である。
(5)M4:骨髄単球性白血病(myelomonocytic leukemia.1976,1985)
  骨髄系と単球系の2系統への分化がある。骨髄と末梢血所見で診断する。骨髄では芽球はNEC中の30%以上、単球系はNEC中の20%、末梢血では単球増加(5,000/μl以上)がみられる。以下の場合もM4とする、①骨髄がM4で末梢血所見が合致しない時、②骨髄がM2で末梢血がM4の時、そして血清リゾチームの上昇やNaF阻害非特異的エステラーゼ反応が陽性であることが必要である。
   M4E:好酸球増加を伴うM4(M4 with eosinophilia)。骨髄中の異常な好酸球がNEC中の5%以上、形態学的には、①特異的好酸球顆粒、②粗大な好塩基性顆粒、③核は未分葉、④特異的エステラーゼ、PAS染色陽性、⑤inv(16)(p13q22)、del(16)(q22)の染色体異常を認める。
(6)単球性白血病(monocytic leukemia.1976,1985)
  骨髄中の単芽球、前単球または単球が80%以上、(a)未分化型(poorly differentiated:M5a)と分化型(differentiated:M5b)の2つの型がある。
   M5a:未分化型単球性白血病‥全単球の80%以上が単芽球で、PO反応は陰性が多く、11q-の染色体例がある。
   M5b:分化型単球性白血病‥全単球の80%未満が単芽球で残りは前単球と単球である。
(7)M6:赤白血病(erythroleukemia.1976,1985)
  骨髄中の赤芽球は50%以上、異型性があり、骨髄芽球はNEC中の30%以上である。
(8)M7:巨核球性白血病(acute leukemia of megakaryocyte lineage.1985)
  骨髄はレチクリン繊維の増加のため診断に適さないことがあるので末梢血を用いる。巨核芽球は30%以上で、PO反応、SBB反応が陰性、電顕PPO陽性、芽球は多彩な形態を示しL1、L2の芽球にも似る。核小体は1~3コ、細胞質の顆粒は有りから無し、好塩基性の細胞突起(bleb)を有するものや血小板の放出像もみられる。巨核球への分化もみられ末梢血に巨核球のフラグメントを認める。
(たたむ)