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鉄芽球性貧血
 ヘム合成障害による鉄の利用障害が発生し貧血を来すものである。通常は小球性低色素性貧血のパターンをとるが、末梢血に低色素性のほか正色素性が混在することでMCHCは正常からやや高値を呈することがある。
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 ヘム合成障害による鉄の利用障害が発生し貧血を来すものである。通常は小球性低色素性貧血のパターンをとるが、末梢血に低色素性のほか正色素性が混在することでMCHCは正常からやや高値を呈することがある。
通常、ヘムの合成は赤芽球のミトコンドリア内で行われ、その合成経路にはδ-アミノレブリン酸(δ-ALA)合成酵素やピリドキシン(VB6)補酵素が必要とされるが、ヘムの合成障害によりそれらの合成経路に障害が起こり、ヘムの合成に利用されなかった鉄は赤芽球の周囲のミトコンドリアに沈着し環状鉄芽球を形成することになる。本疾患はδ-ALA酵素の遺伝子はX染色体短腕にあるので伴性劣性遺伝とされ、以下に分類を示す。
[先天性] 伴性劣性遺伝、ミトコンドリアDNA異常・ピリドキシン(VB6)貧血                  
[後天性] 1)特発性:MDS 2)続発性:薬剤(イソニシアシド・サイクロセリン・クロラムフェニコールなど)、慢性感染症、間節リウマチ、がん、鉛中毒、アルコール中毒など              
【検査所見】末梢血の二相性(低色素性・正色素性赤血球)貧血、血清鉄・フェリチン上昇、TIBC・UIBC低値、骨髄の環状鉄芽球の増加、血漿鉄消失時間(PIDT1/2)の短縮、赤血球鉄利用率(%RCU)の低下 
【治療】続発性の場合は、薬剤や毒物などの原因からの回避。      1)VB6(ピリドキシン)の大量投与、2)過剰鉄に対して:鉄キレート剤(デフェロキサミン・デフェラシロクス)、3)必要最小限度の輸血
(たたむ)
DATA
画像数 7
性別
年齢 15-19
症例の種類 -