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骨髄異形成症候群 (MDS)
 骨髄異形成症候群myelodysplastic syndrome(MDS)はクローナルな後天性造血障害で慢性に経過する治療抵抗性の不応性貧血と前白血病状態を併せもつ予後不良の骨髄疾患である。血液学的には、貧血症では見られな...
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 骨髄異形成症候群myelodysplastic syndrome(MDS)はクローナルな後天性造血障害で慢性に経過する治療抵抗性の不応性貧血と前白血病状態を併せもつ予後不良の骨髄疾患である。血液学的には、貧血症では見られない血球の異形成像と無効造血が特徴であり、また末梢血・骨髄の芽球が20%以下であることが急性白血病と区分される。FAB分類(1982)で5病型のものが、WHO分類では3病型、6分類に整理された。
①RAはRAとRCMDに、②RARSはRARSとRCMD-RSに、③RAEBは、RAEB-1とRAEB-2に、④新たに5q-症候群が設定された。FAB分類のRAEB-tはAMLへ、CMMLはMDS/MPDへ整理された。MDSにみられる主な血球の異形成(形態異常)とは以下のものがあげられる。
1)赤芽球系:①核の出芽様突出、②核間橋形成、③核融解(崩壊)像、④多
 核化、⑤巨赤芽球様変化、⑥環状鉄芽球、⑦空胞化、⑧PAS陽性赤芽球。
2)顆粒球系:①低分葉(偽ペルゲル核異常)、②過分葉、③顆粒減少・脱顆
 粒、④粗大顆粒(偽シエデイアック東顆粒)、⑤環状核好中球、⑥PO陰
 性好中球。
3)巨核球系:①低分葉微小巨核球、②未分葉核巨核球、③分離多核巨核
 球。 微小巨核球の同定の基準が明確でないだけに、リンパ球の2倍大か
 ら朝長ら(MDSの病態研究.臨床血液1989)の前骨髄球大か2倍までを基
 準とするのも一法と思われる。
[文献:Jaffe E.S.et al;WHO Classification of Tumours.2001、森茂郎 監修:新WHO分類による白血病・リンパ系腫瘍の病態学.2004]
(たたむ)