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del(5q)を伴うMDS
MDSのなかで芽球の増加がなく単一の染色体異常del(5)を有する病型(WHO.2001)で女性に好発する特徴がある。欧米ではMDSの10%前後を占めるとされるが、本邦では1.3%と推測される(Tasaka et al.2008)。
5番染...
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MDSのなかで芽球の増加がなく単一の染色体異常del(5)を有する病型(WHO.2001)で女性に好発する特徴がある。欧米ではMDSの10%前後を占めるとされるが、本邦では1.3%と推測される(Tasaka et al.2008)。
5番染色体長腕のうちで5q31-5q33の範囲は共通してみられる欠失領域であり、common deleted region(CDR)とよばれている。del(5q)を呈する骨髄系腫瘍の原因遺伝子候補として、SPARCとRPS14の可能性が高いとされる(Pellagatti et al.2007, Ebert et al.2008)。
 貧血症(大球性貧血)が主症状のため輸血依存性となる。血小板数は正常かむしろ増加傾向にある。末梢血の芽球は1%以下で、骨髄の芽球は5%以下である。骨髄は正ないし過形成で赤芽球は低形成を示す。赤芽球と顆粒球系の異形成は軽度であるが、RCMDのような異形成所見があっても、5q-のみの核型異常を認める場合は本症候群とみなす。
巨核球は増加しており、単核(nuclear hypolobation)か2核が目立つことが多い。予後は比較的良好で欧米における生存期間の中央値は145ヶ月、AMLへ移行するのは10%未満とされる。付加的染色体異常のある症例は予後不良で、本病型とは異なる疾患群とみなす。最近、thalidomide誘導体のlenalidomideが高率に奏功し、輸血依存性からの脱却また異常クローンの減少・消失をもたらすことが報告された(List et al.2005)。
(文献:長谷川大輔,真部淳:WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学.中外医学社.2009)
(たたむ)
DATA
画像数 13
性別
年齢 70-74
症例の種類 典型例