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 CMLの急性転化早期診断の指標 [喜多嶋康一.1990]
危険度が高いもの
 1)慢性期の治療に抵抗性し、縮小傾向を欠くか急激に腫大する脾腫
 2)末梢血・骨髄の骨髄芽球が5%以上
 3)末梢血・前骨髄球が20...
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 CMLの急性転化早期診断の指標 [喜多嶋康一.1990]
危険度が高いもの
 1)慢性期の治療に抵抗性し、縮小傾向を欠くか急激に腫大する脾腫
 2)末梢血・骨髄の骨髄芽球が5%以上
 3)末梢血・前骨髄球が20%以上
 4)付加的染色体異常
 5)著明なリンパ節腫大、他の腫瑠形成
 (*上記3項目以上の条件を満たす時)
     
 本例は、肝脾腫と白血球の著増、NAP活性が低いことよりCMLが疑われた。Ph染色体陽性、BCR-ABL遺伝子を認めたためCMLと診断された。臨床所見を加味してCMLの慢性期と診断された。
(たたむ)

■症例詳細データ
性別
年齢 70-74
取得年代 2000-2004
主訴 腹部膨満感、白血球増加。
既往歴 特になし。
現病歴 腹部膨満感にて来院し白血球増加の血液像にて幼若細胞が出現していたため入院となる。
肝脾腫(+)、リンパ節腫脹(-)。
検査所見 WBC 73,500/μl
(Promy4, My8, Meta2, St-Seg73%)
RBC 411万/μl、Hb 12.7g/dl、Ht 37.6%、MCV 91.5fl、MCH 30.9pg、MCHC 33.8%、PLT 28.2万/μl
末梢血所見 白血球増加(73,500/μl)にて好中球73%、幼若顆粒球14%がみられた。
好酸球や好塩基球の増加はみられなかった。
骨髄所見 骨髄は過形成でM/E比は15.1と明らかに顆粒球系が優位である。
芽球は3%以下の正常範囲であり、増加する顆粒球系には各分化段階がみられた。
形態学的には好中球にやや低顆粒がみられ、末梢血同様、好酸球や好塩基球の増加はみられなかった。
細胞化学所見 NAP活性は陽性率22%、陽性指数46と低値であった。
形態診断 末梢血では幼若顆粒球の出現とNAP活性が低値よりCMLを疑がった。骨髄では顆粒球系の増加と若干の形態異常がみられた。
免疫学的所見 CD13,CD33,HLA-DR(+)
分子生物学的所見 ①46,XY,t(9;22)(q34;q11)‥20/20cell
②BCR/ABL(+)
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 臨床的に脾腫がみられ、形態学的ならびにNAP活性が低値よりCMLが考えられ、染色体所見ではPh染色体陽性、BCR-ABL遺伝子を認めたためCMLと診断された。