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 ☆芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)のRAEB-2
血球減少を伴い以下の形態異常を呈す。
末梢血:芽球5~19%、Auer小体は認めたり認めなかったり、
    単球は1000/μl未満。
骨髄:1~3系統で異形成を認め...
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 ☆芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB)のRAEB-2
血球減少を伴い以下の形態異常を呈す。
末梢血:芽球5~19%、Auer小体は認めたり認めなかったり、
    単球は1000/μl未満。
骨髄:1~3系統で異形成を認め、芽球は10~19%、Auer小体は認めたり認
    めなかったりする。
     
 本例は、末梢血の芽球が5%、骨髄では14%であり、また赤芽球、血小板系に形態異常がみられたことよりMDSを考えた。骨髄における芽球の割合14%はRAEBの基準(10~19%)を満たすことからMDS-RAEBⅡと診断した。
診断後、CAG療法が開始され、20日後allo-PBSCT(ミニ移植)がなされた。
約4ヶ月後骨髄は寛解し紹介院へ転院し経過観察中である。
(たたむ)

■症例詳細データ
FAB分類 > 骨髄異形成症候群 (MDS) > 白血病へ移行途中のRAEB
性別
年齢 60-64
取得年代 2000-2004
主訴 倦怠感、貧血。
既往歴 特になし。
現病歴 貧血、白血球減少を指摘され他院より精査のため当科へ紹介となる。
末梢血に芽球がみられ精査のため入院となる。
肝脾腫(-)、リンパ節腫脹(-)
検査所見 WBC 1,158/μl (芽球5, St-Seg53, Ly38, Mo3, Eo5%)
RBC 301万/μl、Hb 10.2g/dl、Ht 29.2%、PLT 8.8万/μl、
MCV 97.0fl、MCH 33.8pg、MCHC 34.9%、
NCC 17.4万/μl、MgK 50.0/μl (芽球14%)
末梢血所見 白血球減少(1,158/μl)の血液像にて芽球は5%みられた。
骨髄所見 正形成の骨髄にて芽球は14%みられた。
形態異常として赤芽球に核異型性、巨大化がみられ、小型巨核球が散見された。
細胞化学所見 芽球はPO染色に一部が陽性で、赤芽球はPAS染色、Fe染色に陰性であった。
形態診断 末梢血の芽球が5%、骨髄では14%であり、また赤芽球、血小板系に形態異常がみられたことよりMDSを考えた。
骨髄における芽球の割合14%はRAEBの基準(10~19%)を満たすことからMDS-RAEBⅡと診断した。
免疫学的所見 CD4,CD13,CD33,CD34,CD38,CD56,HLA-DR(+)
分子生物学的所見 46,XY‥20/20
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 末梢血(5%)、骨髄の芽球(14%)の割合よりMDSのRAEB-Ⅱと診断された。
診断後、CAG療法が開始され、20日後allo-PBSCT(ミニ移植)がなされた。
約4ヶ月後骨髄は寛解し紹介院へ転院し経過観察中である。