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 本例は、増加・増殖するリンパ球は成熟型であるが、腫瘍性増殖のパターンと表現型でCD5、CD23、CD19が強陽性、sIg、FMC7が弱陽性であったことよりCLL/SLLと診断された。
46歳の比較的若い年齢のCLLであり、他...
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 本例は、増加・増殖するリンパ球は成熟型であるが、腫瘍性増殖のパターンと表現型でCD5、CD23、CD19が強陽性、sIg、FMC7が弱陽性であったことよりCLL/SLLと診断された。
46歳の比較的若い年齢のCLLであり、他臓器浸潤を考慮しながら無治療で経過観察中である。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 慢性 (成熟型) リンパ性白血病 (CL... > B細胞白血病 > B細胞性慢性リンパ性白血病 (B-CLL...
性別
年齢 45-49
取得年代 1990-1994
主訴 全身倦怠感、リンパ節腫脹。
既往歴 特になし。
現病歴 頚部・鎖骨上窩リンパ節腫脹を認める。
肝脾腫(-)
検査所見 WBC 24.500/μl (St-Seg19.5, Ly78.5, Eo1.0, Ba1.0%)
RBC 444万/μl、Hb 13.5g/dl、Ht 40.3%、PLT 17.4万/μl、MCV 90.7fl、MCH 30.4pg、MCHC 33.4%、NCC 16.2万/μl、MgK 37.5/μl (Ly68.0%)、LD 273IU/l、CRP 0.09mg/dl、TP 8.0g/dl、BUN 8.4mg/dl、Ca 8.6mg/dl、UA 4.6mg/dl
末梢血所見 白血球増加(24,500/μl)にてリンパ球の増加(19,232/μl)がみられた。
それらは中型リンパ球でN/C比は低く、クロマチンは粗造で成熟リンパ球を思わせるものであった。
骨髄所見 正形成像にてリンパ球は68%みられ、末梢血と同様に中型の成熟リンパ球を思わせた。
細胞化学所見 増加するリンパ球はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄に増加するリンパ球は成熟型であるが、末梢血のリンパ球数は10,000/μl以上(International CLL workshop)、また5,000/μl以上(NCI CLLworking group)であり、双方の基準を満たすことより慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)を疑った。
免疫学的所見 CD5,CD23,CD19,CD20,HLA-DR (+)
IgG-κ(±),FMC7(±)
分子生物学的所見 ①46,XX‥18/20
②47,XX,+21‥1/20
③45,XX,-19‥1/20
リンパ節所見 【病理組織診断】
小型リンパ球のび慢性の腫瘍性増殖がみられた。
クロマチンは凝集状で一部に核小体を有するものがあった。
Malignant lymphoma:CLL/SLL
臨床診断 増加・増殖するリンパ球は成熟型であるが、腫瘍性増殖のパターンと表現型でCD5、CD23、CD19が強陽性、sIg、FMC7が弱陽性であったことよりCLL/SLLと診断された。
46歳の比較的若い年齢のCLLであり、他臓器浸潤を考慮しながら無治療で経過観察中である。