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 本例は、非ホジキンリンパ腫(び慢性:リンパ芽球型、stageⅣ)と診断され、2年5ヶ月後にAMLへの移行したものと診断された。
ただ、初診のCD13、CD33の20%前後の陽性率、PO染色の3%前後の陽性率は骨髄系の要素も持...
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 本例は、非ホジキンリンパ腫(び慢性:リンパ芽球型、stageⅣ)と診断され、2年5ヶ月後にAMLへの移行したものと診断された。
ただ、初診のCD13、CD33の20%前後の陽性率、PO染色の3%前後の陽性率は骨髄系の要素も持ち併せていた可能性も否定できない。
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■症例詳細データ
性別
年齢 10-14
取得年代 1990-1994
主訴 リンパ節腫脹。
既往歴 【初診】
頚部リンパ節腫脹に伴う生検にて非ホジキンリンパ腫(リンパ芽球型:stageⅣ)と診断された。
現病歴 【初診より2年2ヶ月後】鼠径リンパ節に再発
【初診より2年5ヶ月後】骨髄再発
【初診より2年10ヶ月後】骨髄再々発(PO陽性芽球6.5%)
【治療】1)induction phase:①VCR,CPM,ADR,PDN,
VP-16,AraC, 6MP
2)consolidation phase:①L-ASP ②VP-16,AraC,
6MP ③VCR、ADR、6MP、PDN
3)maintenance phase:①VP-16,BAHC,6MP ②VEMP
③VCR,ADR,6MP,PDN
骨髄所見 【初診時】リンパ球が優位であった。
【初診より2年5ヶ月後】骨髄に芽球の増加がみられた。
【初診より2年10ヶ月後】骨髄の芽球はさらに増加した。
細胞化学所見 【初診時】
リンパ球はPO染色、PAS染色に陰性であった。
【初診より2年5ヶ月後】
芽球はPO染色に低率ながら陽性がみられた。
【初診より2年10ヶ月後】
芽球はPO染色に6.5%の陽性、SBB染色に7.0%が陽性であった。
形態診断 初診が非ホジキンリンパ腫(び慢性)のリンパ芽球型より、治療、経過2年5ヶ月後に骨髄に骨髄芽球の増加が証明されlineage switchが発生したものと考えた。
芽球はPO染色に低率陽性であるが3%以上を示したことよりAMLへの移行と診断した。
免疫学的所見 【初診時】
CD19・CD10・HLA-DR (+)
CD13・CD33(±)
リンパ節所見 【初診時】
頚部リンパ節腫脹に伴う生検にて非ホジキンリンパ腫(び慢性:リンパ芽球型、stageⅣ)と診断された。
*再々発時に初診時のリンパ節標本を見なすと、増殖するリンパ球のなかに2~3%のPO陽性がみられた。
臨床診断 非ホジキンリンパ腫(び慢性:リンパ芽球型、stageⅣ)と診断され、2年5ヶ月後にAMLへの移行したものと診断された。
ただ、初診のCD13、CD33の20%前後の陽性率、PO染色の3%前後の陽性率は骨髄系の要素も持ち併せていた可能性も否定できない。