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 本例は初診がAML-t(8:21)M2より、他院でJALSG-AML87にて治療が開始された。約5ヶ月後にauto-PBSCTが施行され生着した。
約3年後に貧血、血小板減少、白血球減少と汎血球減少を来たした。骨髄穿刺を施行し、3系...
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 本例は初診がAML-t(8:21)M2より、他院でJALSG-AML87にて治療が開始された。約5ヶ月後にauto-PBSCTが施行され生着した。
約3年後に貧血、血小板減少、白血球減少と汎血球減少を来たした。骨髄穿刺を施行し、3系統の形態異常と芽球の割合よりMDS(RAEB-Ⅱ)の範疇と診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 20-24
取得年代 2000-2004
主訴 【初発時4年前】
倦怠感、発熱。
既往歴 【初発時4年前】
AML-t(8;21)M2と診断された。
現病歴 AML-t(8;21)M2の診断後、PBSCTの目的で当科へ入院された。
検査所見 【初診時(先方のデータ)】
WBC 21,700/μl、骨髄ではPO陽性芽球は50%以上。
【当科入院時】
WBC 4,800/μl (芽球0%)
RBC 463万/μl、Hb 15.9g/dl、Ht 47.0%、PLT 17.9万/μl、MCV 101.5fl、MCH 34.3pg、MCHC 33.8%、LD 299IU/l、TP 7.0g/dl、BUN 7.3mg/dl、Ca 9.6mg/dl、UA 6.5mg/dl
末梢血所見 【当科入院時】
血球数は正常であるが、赤血球恒数はやや大球性正色素性貧血の状態であった。
骨髄所見 【骨髄移植後】
低形成像にて、芽球は10%前後で背景には3系統の形態異常を認めた。
顆粒球系では顆粒の分散異常、巨大化、2核、低顆粒の好中球、好酸球の巨大化や分裂異常が、赤血球系では2核の赤芽球、血小板系では小型巨核球がみられた。
細胞化学所見 赤芽球系はPAS染色に陰性、Fe染色では環状鉄芽球は認めなかった。
形態診断 芽球は10%で3系統に形態異常を認めた。
初発がAML-t(8;21)M2であることより、骨髄移植後に骨髄異形成症候群(MDS)が発症したものと思われた。
免疫学的所見 【初診時】
CD13・CD33・CD19・CD34・HLA-DR(+)
分子生物学的所見 45,X,-Y,t(8;21)(q22;q22)[20]
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 初診がAML-t(8:21)M2より、他院でJALSG-AML87にて治療が開始された。
約5ヶ月後にauto-PBSCTが施行され生着した。
約3年後に貧血、血小板減少、白血球減少と汎血球減少を来たした。骨髄穿刺を施行し、3系統の形態異常と芽球の割合よりMDS(RAEB-Ⅱ)の範疇と診断された。