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 本例は、白血球著増に伴い芽球の増加を伴わない幼若顆粒球の出現と骨髄は過形成で顆粒球系の顕著な優位から慢性骨髄増殖性疾患を考えた。
NAP活性が低値(陽性率22%)と肝脾腫などよりCMLを疑った。Ph染色体、B...
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 本例は、白血球著増に伴い芽球の増加を伴わない幼若顆粒球の出現と骨髄は過形成で顆粒球系の顕著な優位から慢性骨髄増殖性疾患を考えた。
NAP活性が低値(陽性率22%)と肝脾腫などよりCMLを疑った。Ph染色体、BCR/ABL融合遺伝子が認められたことよりCMLと診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 70-74
取得年代 2000-2004
主訴 腹部膨満感。
既往歴 特になし。
現病歴 腹部膨満感にて来院、白血球増加の精査のため入院となる。
肝脾腫(+)、リンパ節腫(-)。
検査所見 WBC 73,500/μl (Promy4, My8, Met2, StSeg73, Ba1, Ly6, Mo6%)
RBC 411万/μl、Hb 12.7g/dl、Ht 37.6%、
PLT 28.2万/μl、
MCV 91.5fl、MCH 30.9pg、MCHC 33.7%、
NCC 40.6万/μl、MgK 60.0/μl (芽球1.0%)
末梢血所見 白血球著増(73,500/μl )にて前骨髄球以降顆粒球系の成熟段階がみられた。
骨髄所見 過形成像にてM/E比は15.1と顆粒球系が優位で、それらには分化段階がみられた。芽球は0.5%で正常域であった。
顆粒球全般に顆粒の出現が乏しく、特に好中球に低顆粒がみられた。骨髄クロットセクションでも分化傾向の顆粒球系細胞の増殖がみられた。
細胞化学所見 顆粒球系の分化段階に対するPO染色、EST染色に所見たるものはみられなかった。
好中球におけるNAP染色では、陽性率22%、陽性指数46と活性の低下がみられた。
形態診断 末梢血、骨髄ともに芽球の増加を伴わない顆粒球系の増加より、慢性骨髄増殖性疾患を考えた。
この時点でNAP染色の活性の低下(陽性率22%)の報告より、慢性骨髄性白血病(CML)を疑った。
免疫学的所見 未施行。
分子生物学的所見 ①46,XY,t(9;22)(q34;q11)‥18/20cell
②BCR/ABLgene(+)
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 骨髄増殖性疾患の範疇から、形態学的ならびにNAP染色の活性の低下よりCMLが疑われ、Ph染色体やBCR/ABLキメラ遺伝子が認められたことよりCMLと診断された。