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 本例は、末梢血、骨髄ともに芽球の増加を伴わない顆粒球系の著増とNAP活性の低下、巨大脾腫などの所見からCMLと診断された。追加検査にて、9;22転座やBCR/ABL遺伝子が証明されCMLが確証された。
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 本例は、末梢血、骨髄ともに芽球の増加を伴わない顆粒球系の著増とNAP活性の低下、巨大脾腫などの所見からCMLと診断された。追加検査にて、9;22転座やBCR/ABL遺伝子が証明されCMLが確証された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 慢性骨髄性白血病 (CML) > 慢性骨髄性白血病
性別
年齢 15-19
取得年代 2005-2009
主訴 皮下腫瘤、白血球増加。
既往歴 特になし。
現病歴 2週間前、右前腕に腫れを認めたため近医を受診した。白血球増加を指摘され、当院当科へ紹介された。白血球著増の精査のため入院となった。
皮下腫瘤(+)、脾腫大(+)、リンパ節腫大(-)。
検査所見 WBC 389,200/μl (芽球4%, promy14%, My10%,
Met9%, St18%, Seg32%, Eo8%, Ba4%, Mo1%)
RBC 262万/μl、Hb 7.4g/dl、Ht 24.2%、
PLT 26.2万/μl、MCV 92.3fl、MCH 28.2pg、
MCHC 30.5%、NCC 43.8万/μl、
MgK 675/μl 、
NAP:PR10%, PS24
BM-smear:芽球2%, Promy12%, My10%, Met9%, St17%,
Seg30%, Eo7%, Ba10%, Ebl3%
LD 1,087IU/l, UA 7.2mg/dl
末梢血所見 白血球著増(389,210/μl)にて芽球は4%みられ、以下顆粒球系の幼若から成熟型までの出現をみた。他に好酸球(8%)、好塩基球(4%)の軽度増加がみられた。
骨髄所見 過形成像にて顆粒球系の増加と赤芽球の抑制がみられた。芽球は2%、以下顆粒球系の幼若から成熟段階がみられ、好酸球は7%、好塩基球は10%であった。
細胞化学所見 顆粒球はPO染色に陽性であった。末梢血のNAP染色にて陽性率が10%、陽性指数が24と活性の低下がみられた。
形態診断 末梢血と骨髄像の分類は相関性にあり、芽球の増加を伴わない顆粒球系の著増がみられた。好酸球や好塩基球の軽度増加もあり、NAP活性が低いことからCMLを考えた。
免疫学的所見 CD13、CD14、CD15、CD33 (+)、HLA-DR (±)
分子生物学的所見 46,XY,t(9;22)(q34;q11)
BCR/ABL (+)
リンパ節所見 未施行。
臨床診断 末梢血、骨髄ともに芽球の増加を伴わない顆粒球系の著増とNAP活性の低下、巨大脾腫などの所見からCMLと診断された。追加検査にて、9;22転座やBCR/ABL遺伝子が証明された。皮下腫瘤は髄外病変と考えられた。分子標的療法(グリベック)にて治療が開始された。