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 Meloら(1987)は、異型例を含むB-CLLおよびB-PLLの合計300症例について、臨床的諸パラメーターと末梢血中のprolymphocyteの%値との相関関係を統計学的に検討した結果、10%と55%の2つが診断的に決定的な%であ...
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 Meloら(1987)は、異型例を含むB-CLLおよびB-PLLの合計300症例について、臨床的諸パラメーターと末梢血中のprolymphocyteの%値との相関関係を統計学的に検討した結果、10%と55%の2つが診断的に決定的な%であることを明らかにした。そして、prolymphocyteが10%以下であればCLL、55%であればPLLであり、その中間の10~55%であれば、CLL/PLの
便宜的に命名される中間的疾患群であると結論している。
 本例は、末梢血でCLLを思わせる小リンパ球(66%)と前リンパ球(22%)の混在がみられ、表現型ではCLLを強調するものであった。二つの混在からMeloら(1978)のいうCLL/PLか、Ennoら(1979)のいうCLLからPLへの移行と診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > 慢性 (成熟型) リンパ性白血病 (CL... > B細胞白血病 > 混合細胞性CLL
性別
年齢 80-84
取得年代 2000-2004
症例の種類 典型例
主訴 白血球増加、脾腫
既往歴 特になし
現病歴 脾腫(肋骨弓下6cm)、リンパ節腫脹(+)
検査所見 RBC 388万/μl、Hb 11.9g/dl、Ht 31.4%、MCV 80.9fl、PLT 10.8万/μl、WBC 66,800/μl
末梢血所見 白血球増加(66,800/μl)の分類にてリンパ球様が88% (58,784/μl)と増加していた。それらは大小不同性で、小さいものは12μm大でクロマチンが粗荒、それよりも大きいものは16μm大でクロマチンが粗網状で核小体を有することより二つのポピュレーションがうかがえた。それらの比率は小さいものが66%で、大きいものが22%であった。
骨髄所見 ND
細胞化学所見 PO染色は陰性で、PAS染色、EST染色も陰性であった。
形態診断 骨髄穿刺は高齢のために実施していないが、末梢血のリンパ球が58,784/μlと増加し、これはIW-CLL (1989)のCLLの診断基準 (10,000/μl以上)を満たすことより慢性リンパ性白血病(CLL)を疑った。しかし、小型のものはCLL様で、大型のものは前リンパ球(PL)をうかがわせるものから二つの混在を疑った。この混在についてMeloら(1978.PLが11~55%)に従うと、CLL/PLを考えた。
免疫学的所見 CD5+, CD19+, CD20 (dim), CD22+,IgM+IgD (dim)
分子生物学的所見 46,XY
リンパ節所見 ND
臨床診断 末梢血でCLLを思わせる小リンパ球(66%)と前リンパ球(22%)の混在がみられ、表現型ではCLLを強調するものであった。二つの混在からMeloら(1978)のいうCLL/PLか、Ennoら(1979)のいうCLLからPLへの移行と診断された。