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 本例は皮膚原発の悪性リンパ腫の再燃として捉えられ、表現型ではCD30、HLA-DRのみが陽性であったことより、原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫(null cell type)の白血化と診断された。
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 本例は皮膚原発の悪性リンパ腫の再燃として捉えられ、表現型ではCD30、HLA-DRのみが陽性であったことより、原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫(null cell type)の白血化と診断された。
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■症例詳細データ
FAB分類 > その他
性別
年齢 60-64
取得年代 2005-2009
症例の種類 典型例
主訴 皮膚症状(丘疹、浸潤性紅斑)
既往歴 皮膚原発の悪性リンパ腫(3年前)
現病歴 皮膚腫瘤
検査所見 RBC 201万/μl、Hb 6.8g/dl、Ht 19.2%、MCV 95.5fl、MCH 33.8pg、MCHC 35.4%、PLT 4.0万/μl
WBC 65,000/μl、LD 3100U/l、CRP 5.1mg/dl, NCC 40.3万/μl
末梢血所見 二血球減少(貧血、血小板減少)にて赤血球に破砕赤血球の形態異常を認めた。白血球は増加の傾向(65,000/μl)にあり、分類にて30~40μm大の大型リンパ系細胞を48%認めた。
それらは、核形不整が顕著で、クロマチンは粗鋼、一部に核小体を認め、細胞質の好塩基性は強度であった。形態学的には異常リンパ球を考えた。
骨髄所見 過形成像にてリンパ系細胞は80%と増加の傾向にあった。
形態像は末梢血と同様に、核形不整が顕著な細胞が特徴的であった。
細胞化学所見 末梢血におけるリンパ系の細胞はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
形態診断 末梢血の形態所見から異常リンパ球の増加と考え、初診が皮膚原発の悪性リンパ腫であることよりその再燃を考えた。
免疫学的所見 CD30+, HLA-DR +
分子生物学的所見 ・49,XY,-1,add(1)(q21),+add(3)(q21),+del(5)(q?),add(6)(p21),del(6)(q?),-10,-11,-12,add(15)(q24),
-16,-17,-17,add(19)(p13),+21,+der(?)t(?;1)(?;q25)
・TCR cβ1再構成(-)
リンパ節所見 皮膚の組織像(HE染色):核小体の明瞭な大型の核を有する異型細胞の浸潤を認める。
臨床診断 皮膚原発の悪性リンパ腫の再燃として捉え、表現型ではCD30、HLA-DRのみが陽性であったことより、原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫(null cell type)の白血化と診断された。(本例は日本臨床衛生検査技師会形態検査部門に提示されたものである)