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 本例は遺伝性球状赤血球症のもと両頬部に蝶形斑点の発疹を認め、骨髄にて赤芽球の著減がみられたことで急性赤芽球癆が疑われ、ヒトパルボウイルスB19DNAが陽性より、遺伝性球状赤血球症にヒトパルボウイルスB19...
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 本例は遺伝性球状赤血球症のもと両頬部に蝶形斑点の発疹を認め、骨髄にて赤芽球の著減がみられたことで急性赤芽球癆が疑われ、ヒトパルボウイルスB19DNAが陽性より、遺伝性球状赤血球症にヒトパルボウイルスB19感染症が合併したものと診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 05-09
取得年代 2005-2009
主訴 易疲労感、貧血
既往歴 特になし
【家族歴】父親:遺伝性球状赤血球症
現病歴 黄疸、眼瞼粘膜軽度貧血、眼球結膜に黄疸、紅斑、肝脾腫あり。
検査所見 【On admission】WBC 14,400/μl、RBC 283万/μl、
Hb 9.0g/dl、Ht 25.0%、MCV 88.3fl、MCH 31.8pg、MCHC 36.0%、PLT 26.3万/μl、Ret.112%、BM-NCC 26.3万/μl、u-Urobil.(++) u-Bil.(+)、GOT 23IU/l、
GPT 15IU/l、LDH406IU/l、T-Bil.16.3mg/dl、
D-Bil.1.5mg/dl
【During the course】WBC 3,700/μl、RBC 212万/μl、Hb 7.3g/dl、Ht 19.0%、MCV 89.6fl、MCH 34.4pg、MCHC 38.4%、PLT 24.6万/μl、Rei 0.1%、BM-NCC 4.3万/μl、Fe148ng/dl、TIBC250μg/dl、Ferritin202ng/ml、human parvovirus B19DNA(+)
末梢血所見 入院後経過中に貧血が進行し網赤血球の著減を認めた。血液像では正球性高色素性貧血のもと赤血球の一部に大小不同を認めるほかに異常はみられなかった。
骨髄所見 経過中の骨髄は低形成で赤芽球の極端な減少がみられ、残存する前赤芽球には巨大化がみられた。
細胞化学所見 巨大化した赤芽球はPAS染色に塊状から顆粒状の陽性がみられた。
形態診断 入院経過中に骨髄の赤芽球の著減による貧血と網赤血球の著減がポイントと思われた。骨髄では赤芽球の著減のなか散見する巨大化した前赤芽球の存在から、ヒトパルボウイルスB19の感染症を考え、遺伝性球状赤血球症が基礎疾患にあることでその合併を疑った。
免疫学的所見 ND
分子生物学的所見 ND
リンパ節所見 ND
臨床診断 遺伝性球状赤血球症のもと両頬部に蝶形斑点の発疹を認め、骨髄にて赤芽球の著減がみられたことで急性赤芽球癆が疑われ、ヒトパルボウイルスB19DNAが陽性より、遺伝性球状赤血球症にヒトパルボウイルスB19感染症が合併したものと診断された。