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 本例は発熱の持続、血球減少、肝機能異常、高LDH血症がみられ、骨髄にみられた未熟型組織球系細胞はマクロファージの活性化マーカーが陽性であったことより悪性組織球症と診断された。予後不良の進行であった。
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 本例は発熱の持続、血球減少、肝機能異常、高LDH血症がみられ、骨髄にみられた未熟型組織球系細胞はマクロファージの活性化マーカーが陽性であったことより悪性組織球症と診断された。予後不良の進行であった。
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■症例詳細データ
性別
年齢 60-64
取得年代 1995-1999
主訴 発熱、全身倦怠感、心窩部の不快感
既往歴 特になし
現病歴 発熱(39℃)、肝脾腫(+)、黄疸(+)
検査所見 WBC3,300/μl、RBC485万/μl、Hb 13.2g/dl、Ht38.1%、MCV78.6fl、PLT3.7万/μl、BM-NCC12.2万/μl、LDH4,382U/l、Ferritin2,550ng/ml、AST275U/l、CRP7.0mg/dl
末梢血所見 白血球減少(3,300/μl)のもと白血球分類に異常はみられなかった。
骨髄所見 正形成像のもと、M/Eは2.0とほぼ正常であり、造血細胞に混在するかのように約50μm大の異常の大型細胞(好中球の4倍大)が15%みられた。形態的には未熟な組織球を思わせるもので、周囲にはその小型や裸核のものもみられたが血球を貪食する像はみられなかった。
細胞化学所見 未熟な組織系細胞はMPO染色、PAS染色に陰性で、EST染色も大半が陰性であった。
形態診断 血清LDHやフエリチンの増加は腫瘍性も疑い、血球貪食像を伴わない未熟な組織系細胞の増加より悪性組織球症を疑った。
免疫学的所見 CD15・Lysozyme・α-アンチトリプシン+
分子生物学的所見 N.D
リンパ節所見 N.D
臨床診断 発熱の持続、血球減少、肝機能異常、高LDH血症がみられ、骨髄にみられた未熟型組織球系細胞はマクロファージの活性化マーカーが陽性であったことより悪性組織球症と診断された。