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 本例は、小球性低色素性貧血における二形(相)性の赤血球形態や骨髄の形態異常はみられず、環状赤芽球の増加より鉄芽球性貧血を疑い、血清鉄の増加、総鉄結合能(TIBC)の低値そしてVB6の低値よりVB6欠乏性(ピリド...
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 本例は、小球性低色素性貧血における二形(相)性の赤血球形態や骨髄の形態異常はみられず、環状赤芽球の増加より鉄芽球性貧血を疑い、血清鉄の増加、総鉄結合能(TIBC)の低値そしてVB6の低値よりVB6欠乏性(ピリドキシン)貧血と診断された。
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■症例詳細データ
性別
年齢 35-39
取得年代 2010-2014
症例の種類 典型例
主訴 ふらつき、倦怠感。
既往歴 特になし。
現病歴 14歳頃から顔色が悪いと指摘されていた。最近、ふらつきを自覚しはじめ近医を受診し、貧血を指摘され当院に紹介された。眼瞼結膜に貧血あり。肝脾腫なし。四肢に浮腫なし。
検査所見 WBC4,500/μl、RBC271万/μl、Hb4.3g/dl、Ht14.5%、MCV53.5fl、MCH15.9pg、MCHC29.6%、PLT14.5万/μl、
BM-NCC30.2万/μl、TP6.5g/dl、Al.4.7g/dl、T-bil.1.2mg/dl、AST14IU/l、ALT16IU/l、LDH150IU/l、
Fe201μg/dl、TIBC100μg/dl、UA5.4mg/dl、BUN12mg/dl
CRP0.4mg/dl、VB6.5.7ng/ml
末梢血所見 小球性低色素性貧血のもと正色素性赤血球や低色素性赤血球の混在がみられ、二形(相)性貧血を疑った。他に奇形や標的赤血球がみられた。
骨髄所見 骨髄は過形成気味のもと、骨髄芽球は3%以下で赤芽球が優位(M/E0.4)であった。それらには分化傾向がみられ、全体的に形態異常はみられなかった。骨髄の赤芽球が優位のことから無効造血が伺えるものであった。背景の赤血球にはパッペンハイマー小体を認めた。顕著な形態異常は認めなかった。
細胞化学所見 骨髄の赤芽球に対してPO染色は陰性、PAS染色は陰性であった。Fe染色では環状鉄芽球が多くみられた。また、赤血球にのパッペンハイマー小体がFe染色で陽性であった。
形態診断 末梢血における二形(相)性の赤血球形態がみられ、骨髄のFe染色で環状鉄芽球やパッペンハイマー小体を認めたことから鉄過剰の状態のなか鉄の利用能の悪さを考え鉄芽球性貧血を疑った。VB6の低値よりそれが原因の鉄芽球性貧血を疑った。
免疫学的所見 N.D
分子生物学的所見 N.D
リンパ節所見 N.D
臨床診断 小球性低色素性貧血における二形(相)性の赤血球形態や骨髄の形態異常はみられず、環状赤芽球の増加より鉄芽球性貧血を疑い、血清鉄の増加、総鉄結合能(TIBC)の低値そしてVB6の低値よりVB6欠乏性(ピリドキシン)貧血と診断された。