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 本例は形態学的所見、DIC所見と肺炎が原発にあったことから、それに伴う敗血症を考え、以下の診断基準の4つを満たしたことより敗血症と診断された。感染源となる菌種はセラチア菌などの腸内細菌が考えられた。 ...
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 本例は形態学的所見、DIC所見と肺炎が原発にあったことから、それに伴う敗血症を考え、以下の診断基準の4つを満たしたことより敗血症と診断された。感染源となる菌種はセラチア菌などの腸内細菌が考えられた。
①体温38℃以上(実際は38℃)、②心拍数90/分以上(実際は95)、③PaCo2.32Torr以下(実際は28)、④白血数12,000/μl 以上(実際は50,000/μl)。
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■症例詳細データ
性別
年齢 00-04
取得年代 2005-2009
主訴 発熱、白血球増加症
既往歴 特になし
現病歴 38℃の発熱により近医にて感冒として処方を受けていたが、体幹、四肢、顔面に発疹が発現し、哺乳力も不良となり、貧血、血小板減少を来したため当院に入院となった。
肺炎、紅斑(全身)、著明な浮腫、肝腫を認める。心拍数100/分。呼吸数25/分
検査所見 WBC50,000/μl (My2,Met2,St11,Seg80,Ly5%,Ebl.2/100w)、
RBC325万/μl、Hb 8.2g/dl、Ht24.9%、MCV76.6fl、MCH25.2pg、MCHC32.9%、PLT9.7万/μl、NCC50.6万/μl (M/E 3.0)、LDH339IU/l、CRP11.6mg/dl、Fbg187mg/dl、FDP12.1μg/ml、ATⅢ42%、PaCo2.28Torr
末梢血所見 白血球増加(50,000/μl)のもと、好中球が優位で幼若型を含む左方移動を呈していた。それらは全般に変性気味で豊富な顆粒(中毒性顆粒)を認めた。赤血球の形態では、破砕赤血球や有棘赤血球が出現していた。
骨髄所見 過形成の骨髄(50.6万/μl)はM-E比は3.0で正常域で、顆粒球系は成熟段階がみられ豊富な顆粒(中毒性顆粒)を認めた。赤芽球には一部に2核のものがみられたほかは形態異常はみられなかった。
細胞化学所見 PO染色、PAS染色、クロロアセテートEST染色に顆粒球系は強陽性を呈した。
形態診断 骨髄像では芽球の増加はなく、M-E比は保持され顆粒球系には正常の分化段階がみられた。ただ、豊富な顆粒は中毒性顆粒を思わせるもので炎症性反応による二次性変化を考えた。
末梢血の赤血球形態は破砕赤血球や有棘赤血球を認め、DIC所見を疑うものであった。
免疫学的所見 N.D
分子生物学的所見 46,XY
リンパ節所見 N.D
臨床診断 形態学的所見、DIC所見と肺炎が原発にあったことから、それにによる敗血症が考えられ、以下の診断基準の4つを満たしたことより診断された。感染源となる菌種はセラチア菌などの腸内細菌が考えられた。①体温38℃以上(実際は38℃)、②心拍数90/分以上(実際は95)、③PaCo2.32Torr以下(実際は28)、④白血数12,000/μl 以上(実際は50,000/μl)