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遺伝性非ポリポーシス(HNPCC)
家族性大腸ポリポーシスとは別に、消化管ポリポーシスを伴わないで、遺伝性、家族集簇性に認められる大腸癌があります。このことは長い間、臨床医の間では次第に認識され、cancer family syndrome と呼ばれてきました。この大腸癌に対しては、最近、世界的な関心が高まり、Amsterdamで開かれた国際会議において本症の名称として、hereditary nonpolyposis colorectal cancer (HNPCC)と呼称することが望ましく、“cancer family syndrome”と呼ぶことは、不適当であるとみなされるようになっております。HNPCCは、常染色体性の優性遺伝を示し、一般の大腸癌に比して、
 1.大腸癌の発症年齢が若い
 2.40歳以下の患者が多い
 3.大腸多発癌の率が高い
 4.大腸以外の他の臓器との重複癌の率も高い
 5.右側結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸)の癌率が高い
という特徴を示します。

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