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白血病細胞が成熟傾向を示さないAMLであり、骨髄有核細胞の90%以上を骨髄芽球が占め、芽球のPO陽性率は3%以上とされる。
本例は芽球が90%、それらはアズール顆粒を有するTypeⅡやTypeⅢ芽球の混在もみ... (続きを読む)
白血病細胞が成熟傾向を示さないAMLであり、骨髄有核細胞の90%以上を骨髄芽球が占め、芽球のPO陽性率は3%以上とされる。
本例は芽球が90%、それらはアズール顆粒を有するTypeⅡやTypeⅢ芽球の混在もみられ、PO染色では16%が陽性より、AML-M1と診断されたものである。MG染色で一見単球系を疑ったが、分類上単球系は10%未満であり、大半の芽球はEST染色が陰性と単球系のマーカーであるCD11b、CD14が陰性より単球系は否定された。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 急性骨髄性白血病 (AML)
> 成熟を伴わない未分化型のAML (M1)
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性別 |
男
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年齢 |
20-24
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取得年代 |
2000-2004
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主訴 |
発熱、頚部リンパ節腫脹。
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既往歴 |
特になし。
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現病歴 |
発熱、頚部および鼠径部にリンパ節腫脹がみられ、白血球の増加により当科入院となった。
出血傾向(-)、DIC(-)。
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検査所見 |
WBC 51,600/μl(芽球88%)
RBC 345万/μl、Hb 11.5g/dl、Ht 34.2%、MCV 99.1fl
MCH 33.3pg、MCHC 33.6%、PLT 9.5万/μl
NCC 35.8万/μl、MgK 12.5/μl(芽球92%)
FDP 2.4μg/ml、LD 1,210IU/l
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末梢血所見 |
白血球増加(51,600/μl)にて芽球は90%、細胞質の好塩基性は中等度で、豊富な細胞質には微細なアズール顆粒がみられた。従ってTypeⅠとTypeⅡ芽球の混在がみられた。
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骨髄所見 |
過形成像にて芽球は90%みられ、末梢血同様にアズール顆粒を有するものがみられた。なかにはTypeⅢ芽球の混在もみられたがアウエル小体は不明であった。
単球系は20%未満であった。
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細胞化学所見 |
骨髄芽球はPO染色に16%が陽性であり骨髄系を疑った。
PAS染色は陰性、ブチレートEST染色も陰性であった。
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形態診断 |
骨髄の芽球にはアズール顆粒を有するものがみられたが、アウエル小体は不明であった。
芽球は90%を占め、しかもPO染色に3%以上(実際は16%)が陽性であったことより未分化型のAMLを疑った。
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免疫学的所見 |
CD13(67.8%)、CD33(92.2%)、MPO(96.8%)、
HLA-DR(96.8%)
CD11b(4.6%)、CD14(8.9%)
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分子生物学的所見 |
46,XY,t(12;22)(p13;q11)
MN1遺伝子(+)
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リンパ節所見 |
未施行。
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臨床診断 |
骨髄でPO陽性(16%)の芽球が90%みられたことよりAML-M1と診断された。
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