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骨髄系とリンパ系芽球の両方、あるいはT細胞とB細胞の両方の抗原を併せもつ、ごく稀に3系統(骨髄球、T細胞、B細胞)を発現している芽球も存在するといわれる。形態学的に診断することは困難であるが、一般に芽... (続きを読む)
骨髄系とリンパ系芽球の両方、あるいはT細胞とB細胞の両方の抗原を併せもつ、ごく稀に3系統(骨髄球、T細胞、B細胞)を発現している芽球も存在するといわれる。形態学的に診断することは困難であるが、一般に芽球には大小不同がみられることが多い。確定診断には表現型が有効になる。
本症は、光顕的所見からAML-M1が考えられたが、表現型でCD13、CD15、CD19の二重染色にて陽性がみられ、骨髄系とリンパ系の混在を考え急性混合性白血病と診断された。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> その他
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性別 |
男
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年齢 |
10-14
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取得年代 |
2000-2004
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主訴 |
貧血、血小板減少、白血球増加。
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既往歴 |
特になし。
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現病歴 |
近医にて、貧血、血小板減少、白血球増加を指摘され、紹介にて当院当科を受診された。末梢血に芽球を認めたため入院となった。
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検査所見 |
WBC 21,500/μl (芽球85%)
RBC 230万/μl、Hb 7.2g/dl、Ht 20.8%、PLT 3.2万/μl
MCV 90.4fl、MCH 31.3pg、MCHC 34.6%、
NCC 70.2万/μl、MgK 0/μl (芽球100%)
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末梢血所見 |
白血球増加にて芽球は85%みられた。N/C比が高く、クロマチンは粗顆粒状で核小体がみられた。
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骨髄所見 |
過形成像にて芽球は100%、大小不同性で、N/C比は高く、クロマチンは粗網状で、核形不整がみられ、明瞭な核小体を有していた。
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細胞化学所見 |
芽球はPO染色に40%、SBB染色に51%陽性であった。PAS染色では芽球に細顆粒状から粗大顆粒状の陽性が48%みられた。
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形態診断 |
骨髄における芽球は20%以上(実際は100%)で、PO染色、SBB染色に3%以上(実際は40%,51%)陽性よりAML-M1を考えた。しかし、芽球の大小不同性とPAS染色に粗大顆粒状陽性からリンパ芽球の混在も疑った。
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免疫学的所見 |
CD13・CD15・CD33・CD19・HLA-DR (+)
CD13/CD19 (+)、CD15/CD19 (+)
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分子生物学的所見 |
45,X-Y,5q+,8p+,14q-
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リンパ節所見 |
未施行。
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臨床診断 |
光顕的所見からAML-M1が考えられた。表現型でCD13、CD15、CD19の二重染色にて陽性がみられ、骨髄系とリンパ系の混在を考え急性混合性白血病と診断された。
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