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本例は、骨髄の芽球がAMLの診断基準の20%を超えなかったが、芽球の形態所見、好中球の形態異常などを認めたこと、また8;21転座やAML-ETO遺伝子が証明されたことから、2008-WHO分類に従えば特定の遺伝子異常を有... (続きを読む)
本例は、骨髄の芽球がAMLの診断基準の20%を超えなかったが、芽球の形態所見、好中球の形態異常などを認めたこと、また8;21転座やAML-ETO遺伝子が証明されたことから、2008-WHO分類に従えば特定の遺伝子異常を有する急性骨髄性白血病に分類され、8;21転座AMLとして診断される。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
性別 |
男
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年齢 |
55-59
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取得年代 |
2005-2009
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症例の種類 |
典型例
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主訴 |
特になし。
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既往歴 |
閉塞性肥大型心筋症(30歳時)
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現病歴 |
結膜に貧血・黄疸なし。心音でⅢ音聴取。肝脾腫・腹部腫瑠なし。表在リンパ節腫大なし。四肢に異常なし。
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検査所見 |
WBC5200/μl,Hb13.2g/dl,Ht29.9%,PLT13.2万/μl,BM-NCC24.6万/μl,PT70.8%,APTT35.2sec,Fbg227mg/dl,
FDP<5.0μg/ml,TP6.9g/dl,Alb4.1g/dl,UA6.6mg/dl,
AST219IU/l,ALT130IU/l,LDH571IU/l,Cre0.74mg/dl,
BUN20.6mg/dl,CRP0.21mg/dl
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末梢血所見 |
白血球は正常のなか、芽球が18%みられた。好中球の一部に偽ペルゲル核異常がみられた。
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骨髄所見 |
骨髄は正形成で、顆粒球系が優位(80%)で芽球は13%みられた。芽球は全般に大小不同性で大型の芽球はN-C比が低く、
核形不整や明瞭な核小体がみられた。好塩基性の細胞質に多様性(長い・短い・束状)のアウエル小体がみられた。好中球の一部に偽ペルゲル核異常がみられた。
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細胞化学所見 |
芽球から好中球にかけてPO染色が陽性であった。EST染色ではクロロアセテートに顆粒球系が陽性であった。
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形態診断 |
芽球は末梢血に18%、骨髄に13%みられ異型性を認めた。骨髄は顆粒球系の分化がみられPO染色に強陽性であり、多様性のアウエル小体や好中球に偽ペルゲル核異常を認めたことより、芽球は20%に満たないが8;21転座のAMLを疑った。
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免疫学的所見 |
CD13,CD34,MPO,HLA-DR陽性
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分子生物学的所見 |
46,XY,t(8;21)(q22;q22)[20]
AML1/ETO(+)
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リンパ節所見 |
N.D
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臨床診断 |
骨髄の芽球はAMLの診断基準の20%を超えなかったが、芽球の形態所見、好中球の形態異常などを認めたこと、8;21転座やAML-ETO遺伝子が証明されたことから、2008-WHO分類より8;21転座AMLと診断された。
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