全登録症例数:225
全登録画像数:1755
関連サイト
[ 九州がんセンター ]
[ 国立がんセンター ]
|
急性単芽球性白血病 (低分化型)
白血病細胞の80%以上を単球系細胞(単芽球、前単球、単球)が占め、そのなかで単芽球が80%以上を占める場合を低分化型の単球性白血病(M5a)と診断される。ちなみに顆粒球系... (続きを読む)
急性単芽球性白血病 (低分化型)
白血病細胞の80%以上を単球系細胞(単芽球、前単球、単球)が占め、そのなかで単芽球が80%以上を占める場合を低分化型の単球性白血病(M5a)と診断される。ちなみに顆粒球系細胞は20%以下である。
本例は、骨髄にて単芽球の数的基準をクリアーし、NaF阻害EST染色に陽性やリゾチーム活性が高値よりAML-M5aと診断された。また本型に特徴とされる11q23やMLL遺伝子異常も認められた。臨床的には歯肉出血を認めDICを併発していた。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 急性骨髄性白血病 (AML)
> 単球性 (単球系が優位)
> 低分化型 (M5a)
|
性別 |
女
|
年齢 |
00-04
|
取得年代 |
1995-1999
|
主訴 |
発熱、出血。
|
既往歴 |
特になし。
|
現病歴 |
発熱、出血を主訴として来院し、血液像にて異常細胞が多数出現したため当院当科に入院となった。
顔色不良、歯肉出血を認めた。
|
検査所見 |
WBC 79,800/μl(芽球75%)、RBC 228万/μl、
Hb 5.3g/dl、Ht 21.2%、 MCV 101.7fl、MCH 23.2pg、MCHC 25.0%、PLT 6.5万/μl、
NCC 35.6万/μl(芽球97%)、Fbg 119mg/dl、FDP 2,244ng/ml、D-ダイマー 32.4μg/ml、LDH 2,190IU/l、リゾチーム(s) 62.6μg/ml・(u) 26.4μg/ml
|
末梢血所見 |
白血球増加(79,800/μl )にて芽球は75%みられた。それらは大型で、好塩基性の豊富な細胞質を有し、クロマチンは粗荒で核小体は明瞭であり、アズール顆粒は認めなかった。
|
骨髄所見 |
過形成像にて芽球は94%みられ、末梢血同様に大型で、好塩基性の豊富な細胞質を有し、クロマチンは粗荒で明瞭な核小体を認めたがアズール顆粒は認めなかった。
|
細胞化学所見 |
芽球はPO染色に陰性で、EST染色では98%が強陽性でそれらはNaFに阻害された。
|
形態診断 |
末梢血・骨髄の光顕的所見にて単球系が疑われ、それらは80%以上で、なかでも単芽球が80%以上より低分化型の単球性白血病を考えた。また、NaF阻害EST陽性はそれを支持するものとなった。
|
免疫学的所見 |
CD13(39.4%)、CD33(88.2%)、CD11b(34.5%)、
CD11c(90.3%)、CD14(93.2%)、CD34(2.8%)、MPO(1.2%)
|
分子生物学的所見 |
46,XX,t(11;17)(p22;q23)[15]
MLL遺伝子(+)
|
リンパ節所見 |
未施行。
|
臨床診断 |
光顕的所見より低分化型の単球性白血病を疑い、表現型やリゾチーム活性が高値よりAML-M5aと診断された。臨床的にはDIC所見もみられた。
また本型に特徴とされる11q23やMLL遺伝子異常が認められた。
|

|