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☆芽球増加を伴う不応性貧血-Ⅱ(RAEB-Ⅱ)
骨髄芽球は末梢血で5~19%、骨髄中では10~19%まで。Auer小体を認める場合はRAEB-Ⅱとされる。
本型は芽球の割合からAMLと境界病型であるので、骨髄生検でALIP(abno... (続きを読む)
☆芽球増加を伴う不応性貧血-Ⅱ(RAEB-Ⅱ)
骨髄芽球は末梢血で5~19%、骨髄中では10~19%まで。Auer小体を認める場合はRAEB-Ⅱとされる。
本型は芽球の割合からAMLと境界病型であるので、骨髄生検でALIP(abnormal localization of immature precursors)が陽性にときは急性白血病移行につながる所見として重要になる。
本例は、末梢血の芽球が12%、骨髄でも12%であり、三系統の異形成から骨髄異形成症候群(MDS)を疑った。
MDSの病型分類では芽球の割合から芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB-Ⅱ)を考えた。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 骨髄異形成症候群 (MDS)
> 白血病へ移行途中のRAEB
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性別 |
男
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年齢 |
10-14
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取得年代 |
2005-2009
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主訴 |
倦怠感、貧血。
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既往歴 |
特になし。
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現病歴 |
健診にて貧血の疑いを指摘され近医を受診し、汎血球減少を指摘されたが経過観察されていた。
倦怠感が続くため近医に相談したところ当科を紹介された。
貧血と血小板減少があり血液像にて芽球がみられたため入院となった。
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検査所見 |
WBC 5,300/μl(芽球12%)
RBC 272万/μl、Hb 8.2g/dl、Ht 23.6%、
MCV 86.7fl、MCH 30.1pg、MCHC 34.7%、PLT 9.2万/μl、NCC 48.2万/μl、MgK 31.25/μl(芽球12%, Ebl 3/100w)
LDH 887IU/l
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末梢血所見 |
白血球正常の血液像にて芽球が12%みられた。
クロマチンは繊細で一部にアウエル小体を認めた。
また赤芽球を認め(3/100w)、白赤芽球症を呈していた。
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骨髄所見 |
骨髄は過形成像で無効造血がうかがえた。
赤芽球は52%みられたことより、芽球はNEC中の12%みられアウエル小体を認めた。三血球(系統)に異形成(形態異常)がみられ、顆粒球系には輪状核、2核、PO陰性の好中球が、赤血球系に最も多く巨赤芽球様変化、多核、核異型性、PAS陽性赤芽球が、血小板系には小型円形核がみられた。
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細胞化学所見 |
PO染色では芽球に陽性であったが好中球には陰性のものがみられた。PAS染色に赤芽球の陽性がみられ、Fe染色では所見たるものはみられなかった。
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形態診断 |
末梢血の芽球が12%、骨髄でも12%であり、三系統の異形成から骨髄異形成症候群(MDS)を疑った。
MDSの病型分類では芽球の割合から芽球増加を伴う不応性貧血(RAEB-Ⅱ)を考えた。
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免疫学的所見 |
CD13, CD33, HLA-DR (+),Glycophorin-A (±)
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分子生物学的所見 |
46,XY
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リンパ節所見 |
未施行。
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臨床診断 |
3系統の異形成と末梢血と骨髄における芽球の割合からMDSのRAEB-Ⅱと診断された。3系統の顕著な形態異常にも関わらず染色体異常は認められなかった。
(小児がん・白血病研究グループ登録例)
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