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本例は、孤立性脾腫や貧血と血小板減少がみられた。末梢血、骨髄に前リンパ球の浸潤がみられ、その表現型はCD20、CD22、FMC7が陽性、表面免疫グロブリン(sIg)の発現が強度であったことより前リンパ球性白血病(P... (続きを読む)
本例は、孤立性脾腫や貧血と血小板減少がみられた。末梢血、骨髄に前リンパ球の浸潤がみられ、その表現型はCD20、CD22、FMC7が陽性、表面免疫グロブリン(sIg)の発現が強度であったことより前リンパ球性白血病(PLL)と診断された。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
性別 |
男
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年齢 |
70-74
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取得年代 |
1995-1999
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症例の種類 |
典型例
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主訴 |
白血球増加、脾腫
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既往歴 |
特になし
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現病歴 |
巨大脾腫(肋骨弓下8.3cm)
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検査所見 |
RBC 320万/μl、Hb 10.0g/dl、Ht 29.8%、MCV 93.1fl、PLT 8.2万/μl
WBC 76,000/μl、NCC 20.4万/μl
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末梢血所見 |
白血球増加(76,000/μl)の分類にてリンパ球様が92% と増加していた。
それらのなかに細胞径が15μm大で、N/C比が高く、クロマチンは粗網状で、核形不整や明瞭な核小体を有する前リンパ球(prolymphocyte)が83% (63,080/μl)みられた。
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骨髄所見 |
骨髄においてはリンパ球様が83%を占め、なかでも末梢血と同様な形態を有する前リンパ球が60%みられた。
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細胞化学所見 |
PO染色は陰性で、PAS染色、EST染色も陰性であった。
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形態診断 |
末梢血、骨髄ともに前リンパ球の増加を認めたため、前リンパ球性白血病 (PLL)を疑った。
なかでも、末梢血における前リンパ球の割合(83%)は、MeloらのPLLの診断基準(1987.前リンパ球が55%以上を占める)を十分に満たすものでありPLLの診断を支持するものであった。核形不整と明瞭な核小体から、Galtonら(1974)の分類に従うとcleft typeを考えた。
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免疫学的所見 |
CD19+, CD20+, CD22+,FMC7+, sIgM+IgD
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分子生物学的所見 |
46,XY
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リンパ節所見 |
ND
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臨床診断 |
孤立性脾腫や貧血と血小板減少がみられた。末梢血、骨髄に前リンパ球の浸潤がみられ、その表現型はCD20、CD22、FMC7が陽性、表面免疫グロブリン(sIg)の発現が強度であったことより前リンパ球性白血病(PLL)と診断された。
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