■ご利用に際して

本サイトは、厚生労働省がん研究助成金総合研究事業および、厚生労働省第3次対がん総合戦略研究事業にて構築され、2014年3月にその事業を終了しております。現在サイトに掲載されている内容は当時の登録状況のまま公開しているため、必ずしも最新の医療に沿う内容ではない場合がございます。ご注意ください。

ご不明点がありましたら九州がんセンターまでお問い合わせください。

JapaneseEnglish

 本例は、孤立性脾腫や貧血と血小板減少がみられた。末梢血、骨髄に前リンパ球の浸潤がみられ、その表現型はCD20、CD22、FMC7が陽性、表面免疫グロブリン(sIg)の発現が強度であったことより前リンパ球性白血病(P...
(続きを読む)
 本例は、孤立性脾腫や貧血と血小板減少がみられた。末梢血、骨髄に前リンパ球の浸潤がみられ、その表現型はCD20、CD22、FMC7が陽性、表面免疫グロブリン(sIg)の発現が強度であったことより前リンパ球性白血病(PLL)と診断された。
(たたむ)

■症例詳細データ
性別
年齢 70-74
取得年代 1995-1999
症例の種類 典型例
主訴 白血球増加、脾腫
既往歴 特になし
現病歴 巨大脾腫(肋骨弓下8.3cm)
検査所見 RBC 320万/μl、Hb 10.0g/dl、Ht 29.8%、MCV 93.1fl、PLT 8.2万/μl
WBC 76,000/μl、NCC 20.4万/μl
末梢血所見 白血球増加(76,000/μl)の分類にてリンパ球様が92% と増加していた。
それらのなかに細胞径が15μm大で、N/C比が高く、クロマチンは粗網状で、核形不整や明瞭な核小体を有する前リンパ球(prolymphocyte)が83% (63,080/μl)みられた。
骨髄所見 骨髄においてはリンパ球様が83%を占め、なかでも末梢血と同様な形態を有する前リンパ球が60%みられた。
細胞化学所見 PO染色は陰性で、PAS染色、EST染色も陰性であった。
形態診断 末梢血、骨髄ともに前リンパ球の増加を認めたため、前リンパ球性白血病 (PLL)を疑った。
なかでも、末梢血における前リンパ球の割合(83%)は、MeloらのPLLの診断基準(1987.前リンパ球が55%以上を占める)を十分に満たすものでありPLLの診断を支持するものであった。核形不整と明瞭な核小体から、Galtonら(1974)の分類に従うとcleft typeを考えた。
免疫学的所見 CD19+, CD20+, CD22+,FMC7+, sIgM+IgD
分子生物学的所見 46,XY
リンパ節所見 ND
臨床診断 孤立性脾腫や貧血と血小板減少がみられた。末梢血、骨髄に前リンパ球の浸潤がみられ、その表現型はCD20、CD22、FMC7が陽性、表面免疫グロブリン(sIg)の発現が強度であったことより前リンパ球性白血病(PLL)と診断された。