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本例は末梢血のリンパ球数の増加(24,336/μl)はCLLの基準を満たし、前リンパ球の混在(35%)については55%以下(11~55%)であったことより従来のCLL/PLの混在を考えた。表現型はB-CLLを示唆するものであった。核... (続きを読む)
本例は末梢血のリンパ球数の増加(24,336/μl)はCLLの基準を満たし、前リンパ球の混在(35%)については55%以下(11~55%)であったことより従来のCLL/PLの混在を考えた。表現型はB-CLLを示唆するものであった。核は大型でクロマチンはやや繊細で核形不整を認めたことで
2008年版WHO分類で記載された異型性(atypical)CLLの範疇を考えた。それらはtrisomy12を持つ症例が多いとされているが、本例は3,7,18番trisomyと12番の転座が認められた。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
FAB分類 |
> 慢性 (成熟型) リンパ性白血病 (CL...
> B細胞白血病
> B細胞性慢性リンパ性白血病 (B-CLL...
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性別 |
男
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年齢 |
60-64
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取得年代 |
2005-2009
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症例の種類 |
非典型例
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主訴 |
発熱、全身倦怠感
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既往歴 |
特になし
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現病歴 |
発熱、リンパ節腫脹、脾腫(軽度)
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検査所見 |
RBC 401万/μl、Hb 11.2g/dl、Ht 35.8%、MCV 89.3fl、MCH 27.9pg、MCHC 31.3%、
PLT 12.3万/μl、WBC 31,200/μl (Ly78.0%、St-Seg16.0%、Mo6.0%)、
NCC 14.6万/μl、TP 7.0g/dl、LD 315U/l、UN 18mg/dl、UA 4.0mg/dl、CRP 0.2mg/dl
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末梢血所見 |
白血球増加(31,200/μl)にてリンパ球が78%(24,336/μl)と増加していた。
リンパ球には大小が混在し、大型はN/C比がやや高く、核は円形〜類円形、核クロマチンは粗荒で、核小体を有するものがみられた。それらは35%みられ前リンパ球を思わせるものであった。
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骨髄所見 |
正形成像でリンパ球が61%と増加し、末梢血同様に大小のリンパ球が混在し、なかには明瞭な核小体を有するものがみられた。
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細胞化学所見 |
リンパ球はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性であった。
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形態診断 |
高齢で、白血球の増加はリンパ球優位(24,336/μl)であることより慢性リンパ性白血病(CLL)を考え、NCI-CLLの判定基準(5000/μl以上)を満たすことよりCLLを疑った。
しかし、核小体を有するリンパ球については前リンパ球(PL)を疑い、それが55%以下より、CLLにPLが混在したものを考えた。
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免疫学的所見 |
CD5,CD19,CD20,CD21,CD22,CD38,IgL,HLA-DR (+)
FMC-7(士)
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分子生物学的所見 |
49,XY,t(12;22)(p13;q11),+3,+7,+18
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リンパ節所見 |
腫瘍細胞のび慢性増殖を認め、多くは小型リンパ球であるが、ところどころに核小体を有する細胞が目立つ。周囲に比べ明るく結節状にみえる領域(pseudofollicle)を認める。
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臨床診断 |
末梢血のリンパ球数の増加(24,336/μl)はCLLの基準を満たし、前リンパ球の混在(35%)については55%以下であった。
表現型はB-CLLを示唆するものであった。
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