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本例は、網赤血球の著増は有効造血可能な貧血であり、MCHCの高値(37.9%)は球状赤血球の増加によるものであり溶血性貧血が疑われた。間接ビリルビン優位の黄疸や脾腫があり、LDHの高値、ビリルビンの高値、ハプ... (続きを読む)
本例は、網赤血球の著増は有効造血可能な貧血であり、MCHCの高値(37.9%)は球状赤血球の増加によるものであり溶血性貧血が疑われた。間接ビリルビン優位の黄疸や脾腫があり、LDHの高値、ビリルビンの高値、ハプトグロビンの低値、赤血球浸透圧抵抗試験の減弱や溶血自己試験の陽性は膜異常を思わせるもので、母親が球状赤血球症であったことより遺伝性球状赤血球症と診断された。 (たたむ)
 
■症例詳細データ
性別 |
女
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年齢 |
15-19
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取得年代 |
2000-2004
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主訴 |
黄疸
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既往歴 |
【家族歴】 母親;遺伝性球状赤血球症
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現病歴 |
脾腫
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検査所見 |
WBC 7500/μl、RBC 235万/μl、Hb 7.4g/dl、Ht 19.5%、MCV 82.9fl、MCH 31.4pg、MCHC 37.9%、PLT 24.6万/μl、Ret.28.5%、BM-NCC 18.7万/μl(M/E 0.70)、Mgk 37.5/μl、T-bil 4.8mg/dl、D-bil 1.9mg/dl、LD 936/μl、Direct Coombs(-)、ハプトグロビン 10mg/dl、赤血球浸透圧抵抗試験(減弱)、自己溶血試験(+)
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末梢血所見 |
正球性高色素性貧血のもと赤血球大小不同や小型球状赤血球がみられた。網赤血球は28.5%と著増していた。
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骨髄所見 |
正形成像の骨髄にてM/Eが0.70と赤芽球が優位であった。それらは成熟段階がみられ、顕著な形態異常は認めなかった。芽球は3%以下で正常域であった。
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細胞化学所見 |
赤芽球に対し、PAS染色、EST染色は陰性であった。
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形態診断 |
正球性高色素性貧血で球状赤血球や網赤血球の増加を認めた。高色素性はおそらく球状赤血球の増加によるものが考えられ、ビリルビン、LDHの高値やハプトグロビンの低値などから溶血性貧血を考え、なかでも球状赤血球症を疑った。
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免疫学的所見 |
ND
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分子生物学的所見 |
ND
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リンパ節所見 |
ND
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臨床診断 |
網赤血球の著増は有効造血可能な貧血であり、MCHCの高値(37.9%)は球状赤血球の増加によるのであり溶血性貧血が疑われた。間接ビリルビン優位の黄疸や脾腫があり、LDHの高値、ビリルビンの高値、ハプトグロビンの低値、赤血球浸透圧抵抗試験の減弱や溶血自己試験の陽性は膜異常を思わせるもので、母親が球状赤血球症であったことより遺伝性球状赤血球症と診断された。
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